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●詩、小説●

2024-12-25 05:26:03

バーチャル学校vol3 11

作 林柚希

早く、『ポセイドンモドキ』をやっつけたかったけれど、情報は少しでも欲しかった。
とりあえず、海の民の村へ行く事にした。

海の民の村は、岩の中にあった。
岩の壁に、深く穴が穿たれていて、それぞれ家族で住んでいるそうだった。
海の民のジョンとアメリアは、村に着くと他の村人と話して、人魚のシャーロットとイルカが村の奥まで行ってしまった。
ジョンとアメリアがやってくると、くつろげる場所を用意したので来てほしい、と言われたのでついて行った。
多少なりとも、ケーは心配していたようだけれど。
「ケー、心配しなくても大丈夫だって。」僕は、そう元気づけた。

とある岩の穴に来ると、そこにはサンゴの椅子にコンブが敷き詰められていた。
見た目としては凄い配色だけれど、実際座ってみるとなかなか良かった。
僕とケーが長いサンゴの椅子に座り、サンゴ礁のテーブルの向かいに、やはりサンゴの椅子にジョンとアメリアが座った。

「それで、どうしようか?」僕は皆に呼びかけた。
「僕達も、『ポセイドンモドキ』退治に参加するよ。」ジョンが言った。
「私も参加するけれど、実際怖いわね。」アメリアがちょっと身を震わせて言った。
「私は、大丈夫だと思ってる。実は、予知の能力があるの。」ケーはぎこちないが笑顔を作って言った。
「僕も大丈夫だと思ってる。それで、少しでも情報が欲しいんだ。教えてくれるかい?」僕が皆の顔を見て言った。
「何を教えられるかな。何を聞きたい?」ジョンが言った。
「『ポセイドンモドキ』のことさ。いつからこの海にいるか知ってるかい?」僕が言った。
「約2,3か月前からよ。僕達は数千年の昔からいるんだけど、これまでは人間とあまり接点を持っていなかったんだよね。」アメリアが言った。
「そうなの。それでね、人間の住むセキレイ島の一部が閉鎖空間になっているようだけど、知ってる?」ケーが言った。
「セキレイ島の一部もそうなっているんだね。この村もその閉鎖空間に入っているんだよ。これを見てくれるかい?」ジョンが言った。
「何?」ケーも僕もそれからアメリアも身を乗り出して、サンゴ礁テーブルに乗せた地図を見た。
その地図には、『セキレイ島の海域』とあった。
「この地図の四角い一角が、閉鎖空間になっているんだ。この場所だよ。」ジョンが地図の一角を指して言った。
「なるほど。意外と狭いね。」僕は、すぐに辿りつけそうで安堵した。
「それがね、閉鎖空間が少しづつ広がっているようなのよ。」アメリアが言った。
「なんだって!?」僕もケーも驚いて言った。
「今回トゥルー君やケーさんと出会った時にね、地図を見ながら閉鎖空間を調べていたのよ。」アメリアが言った。
「僕はトゥルーって呼び捨てでいいよ。」僕はなんだかまどろしくて言い添えた。
「私もケーって呼び捨てでいいわよ。」ケーも同じ気持のようだ。
「そっか、早く退治しに行かなければいけないな。」僕はアセりを感じていた。
「他に知っていることはある?例えば『ポセイドンモドキ』本人のこととか。」ケーも焦っているようだ。
「いや、それが会った存在がいなくて、『ポセイドンモドキ』のことを知らないのよ。」アメリアが言った。
「じゃあさ、奴の城のことはどうかな?」僕が、意外と情報が少ないなと思いながら言った。
「城?」アメリアが訊いてきた。
「『ポセイドンモドキ』がわが城に来いって私達に言ってきたのよ。」ケーはいまいまし気に言った。
「『ポセイドンモドキ』の城らしき場所は一か所ある。この地図のこの場所。」地図を指してジョンが言った。
「この場所に文字通り城が建っているんだよ。海の中にこんな建物を建てて!って皆怒っていたんだ!」ジョンが言った。
「どんな城なの?」ケーが聞いてきた。
「中世のヨーロッパに建てたような城よ。小ぶりだけどね。」アメリアが言った。
「そこに行き着くのは大変なのかい?」僕が訊いた。
「いや、そんなことはないよ。大丈夫、すぐに行けるよ。」ジョンが言った。
「他に、なければ準備をしていきたいところだよね。」ケーは、僕やジョン達の方を見渡して言った。
「そうだね。僕たち実はお腹空いているんだけれど、何か用意してもらってもいいかい?」僕小さくグーグー鳴っているお腹の音を聞きながら言った。
「じゃ、ギブアンドテイクで何かしてもらうことはできるかい?」ジョンが言った。
うーん、地下探検の時みたいだと、僕もケーも思った。
「いいわよ、私が二人の近い未来を占うでどう?」ケーが言った。
「あ、それは貴重なことだ。それでいいよ。」ジョンが言った。アメリアも同意した。

まず、ケーとアメリアが席を立ち洞窟の端の方で二人で話している。
ケーは小声でアメリアに言っていたけれど、アメリアが「私が恋をするの?」と大声をだして驚いているようだ。
僕とジョンが慌てて「こっちまで聞こえているよ!」と言い、アメリアが恥ずかしそうにしていた。
もうって、仕方なさそうにケーが小声で話し終えると、二人は戻って来た。
アメリアは、凄く嬉しそうだ。ジョンも落ち着かなそうにしている。
ケーは次に、ジョンと一緒に席を立ち、洞窟の端に行った。
ケーはやはり小声で話していたけれど、ジョンは「僕に恋人が!?」と響き渡る声で言っていた。
しょうがないなぁ。「ジョン、聞こえてるよ!」僕が言った。アメリアは驚き過ぎているようだ。
ケーは、あなたもしょうがないわね、というのだけ聞こえてあとは、コソコソ話して終わった。
戻って来たジョンは、嬉し気にアメリアを見つめて、よしっ!と気合を入れているようだ。なるほど。

「じゃ、食事の準備と退治の準備をしよう。」ジョンが言ったのだった。



この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。

物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-01

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-02

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物語の最後は、こちらになります。
バーチャル学校vol3-14
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