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●詩、小説●
2024-12-20 08:02:21バーチャル学校vol3 06
作 林柚希
夕方、休憩時間の後、教室でボランティアスタッフの作った夕飯を食べた後、宿泊施設へ向かった。
そこは、ログハウスになっていて、女子と男子に分かれて泊まることになっていた。
ログハウスは、木で建てられた建物で、中に入ると、いい木の香りが漂っていた。
僕は、ベッドに布団や枕を設置するとまた教室に戻って、ワンダリング先生の話を聞いた。
「皆、これから肝試しがあります。これから『肝試しのしおり』を配るのでよく読んで欲しい。」
配られた紙を読んでいてケーをそれとなく見ると、なんだか落ち着かない様子だった。
「ケー、心配しなくても大丈夫だって。」ケーを安心させてやりたかった。
「うん。…、なんだか私、帰りたいな。」ケーは気乗りしないようだった。
「僕と一緒に歩こうね。」なんだかケー、気にしすぎな気がするんだけどな。
「そうだね。トゥルー、離れないでね。」ケーは頼りにしているよ、とも言っていた。
『肝試しのしおり』を読むと、学校を出て、島の中央にある商店街を抜けて公園を通り、とある有名人の墓地にある紙を取ってくる、というものだった。
さて、肝試しの開始だ。
肝試しは、班の中で2人ずつ墓地まで行ってくることになっている。
僕とケーは一緒に行くことになった。
「じゃ、ケー、行こうか。」合図を送られて、僕とケーは歩き出した。
「今はまだ大丈夫だけど、怖いなぁ。」ケーはなんだか腰砕けな調子だ。
「まぁ、まだ商店街を抜けるからさ、にぎやかなんじゃない?」僕は明るく言った。
「そうだね。」ケーはギュッと目をつぶっていたけれど、意を決したように歩き出した。
もう、すでに夜になり街灯以外真っ暗だ。
学校出て、普通の家の間を抜けると、商店街の入り口に差し掛かった。
賑やかだと思われた商店街は、すでにしまっている店が多く静かだった。
「トゥルー、商店街はあまり賑やかじゃないね。」ぽつりとケーは言った。
「そうだね。まぁ、終わればあっという間だよ。」僕は励ますように言った。
そして、商店街を抜け公園にやってくると、公園にいたボランティアスタッフにロウソクを渡されて、「公園の中央にこれをともして、公園を抜けてください。」と言われた。
その内容に、ケーと僕はちょっとビビりまくったけれど、表面上は普通だった。(ように思う。)
ロウソクとマッチを渡されて、公園の中央まで歩く。
公園の中央には子供の遊ぶコンクリートの山があって、その手前にロウソクが沢山灯されていた。
「なんかヤダね~。」ケーが務めて明るく言った。
「オッケー、オッケー。大丈夫だよ。」僕も明るく言った。
そして、恐る恐るマッチに火をつけて、ロウソクに火を灯すとロウを垂らして、ロウソクを立てた。
次の瞬間、奥にある山から、「オバケだぞ~」と言って、シーツを被った奴と、ドラキュラの格好の奴がいきなり出てきた。
「ギャー!」ケーはものすごく驚いて飛びのくと、僕にしがみついた。
僕もギクリとしたけれど、2人のいで立ちの奴らを見て、逆に笑ってしまった。
「ケー、ケー。大丈夫?怖くないよ。」僕はケーに優しく言った。
「トゥルー?怖くない?」ケーはまだ目をギュッとつぶっている。
「もう目を開けて。公園を出ようよ。」ケーを安心させるように、僕は言った。
「そうだね。」そう言うと、ケーは目を開けた。
もう、さっきの二人はいない。
「行こ。」そういうと僕はケーの手を繋いで歩き出した。
公園を抜けると、今度は墓地だったっけ。
ケーはかなり尻込みしていたけれど、僕は自信があった。
「大丈夫。」僕は何度も安心させるように言うと歩いた。
とある歩道で、地蔵とカーブミラーが目に入った。
「地蔵なんてやだなぁ。」ケーは苦笑いをしている。
「まぁ、これは地元の物だからさ、気にすることないよ。」と僕はヘタなウインクをした。
「もう、トゥルーったら。」ケーは笑ってくれた。
そうしたら、暗がりから、「キャハハハ。」と魔女が出てきた。
「ギャー!」ケーがまた怖がっている。
「もう、やり過ぎないでくれよ。」僕も苦笑いだ。
「やだよう。」ケーは横道にそれて、走り出してしまった!
「待って!ケー!!そっちじゃないよ。」僕もケーを追いかけたのだった。
ケーを追いかけて行って、ようやく追いついた。ケーはなんだか青ざめているのだった。
「どうしたの?ケー。」僕は、ケーに訊いてみた。
「おかしいのよ。」ケーは本格的に青ざめている。
「何がおかしいの?」と僕。
「だって、道を戻ったはずなのに、さっきの道と違うよ。」ケーは少し震えているようだった。
「ケーは戻ったと思ったんだね?違うよ、さっきは別の道に入り込んでいたよ。」僕は丁寧に言った。
「そうなの?」ケーは凄く驚いているようだった。
「さっき、地蔵とカーブミラーの道まで戻ろう?」僕は道を覚えてるから大丈夫、とも言った。
「なんだ、そうなのね?」ケーは安心したようだった。
二人して歩き出してみる。
だけど、1時間かかってもなかなか元の道に戻れなかった。
様々な道を歩いて気づくと、旅館の前にたどり着いたようだった。
この作品は、どこにも投稿しておりません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-06
夕方、休憩時間の後、教室でボランティアスタッフの作った夕飯を食べた後、宿泊施設へ向かった。
そこは、ログハウスになっていて、女子と男子に分かれて泊まることになっていた。
ログハウスは、木で建てられた建物で、中に入ると、いい木の香りが漂っていた。
僕は、ベッドに布団や枕を設置するとまた教室に戻って、ワンダリング先生の話を聞いた。
「皆、これから肝試しがあります。これから『肝試しのしおり』を配るのでよく読んで欲しい。」
配られた紙を読んでいてケーをそれとなく見ると、なんだか落ち着かない様子だった。
「ケー、心配しなくても大丈夫だって。」ケーを安心させてやりたかった。
「うん。…、なんだか私、帰りたいな。」ケーは気乗りしないようだった。
「僕と一緒に歩こうね。」なんだかケー、気にしすぎな気がするんだけどな。
「そうだね。トゥルー、離れないでね。」ケーは頼りにしているよ、とも言っていた。
『肝試しのしおり』を読むと、学校を出て、島の中央にある商店街を抜けて公園を通り、とある有名人の墓地にある紙を取ってくる、というものだった。
さて、肝試しの開始だ。
肝試しは、班の中で2人ずつ墓地まで行ってくることになっている。
僕とケーは一緒に行くことになった。
「じゃ、ケー、行こうか。」合図を送られて、僕とケーは歩き出した。
「今はまだ大丈夫だけど、怖いなぁ。」ケーはなんだか腰砕けな調子だ。
「まぁ、まだ商店街を抜けるからさ、にぎやかなんじゃない?」僕は明るく言った。
「そうだね。」ケーはギュッと目をつぶっていたけれど、意を決したように歩き出した。
もう、すでに夜になり街灯以外真っ暗だ。
学校出て、普通の家の間を抜けると、商店街の入り口に差し掛かった。
賑やかだと思われた商店街は、すでにしまっている店が多く静かだった。
「トゥルー、商店街はあまり賑やかじゃないね。」ぽつりとケーは言った。
「そうだね。まぁ、終わればあっという間だよ。」僕は励ますように言った。
そして、商店街を抜け公園にやってくると、公園にいたボランティアスタッフにロウソクを渡されて、「公園の中央にこれをともして、公園を抜けてください。」と言われた。
その内容に、ケーと僕はちょっとビビりまくったけれど、表面上は普通だった。(ように思う。)
ロウソクとマッチを渡されて、公園の中央まで歩く。
公園の中央には子供の遊ぶコンクリートの山があって、その手前にロウソクが沢山灯されていた。
「なんかヤダね~。」ケーが務めて明るく言った。
「オッケー、オッケー。大丈夫だよ。」僕も明るく言った。
そして、恐る恐るマッチに火をつけて、ロウソクに火を灯すとロウを垂らして、ロウソクを立てた。
次の瞬間、奥にある山から、「オバケだぞ~」と言って、シーツを被った奴と、ドラキュラの格好の奴がいきなり出てきた。
「ギャー!」ケーはものすごく驚いて飛びのくと、僕にしがみついた。
僕もギクリとしたけれど、2人のいで立ちの奴らを見て、逆に笑ってしまった。
「ケー、ケー。大丈夫?怖くないよ。」僕はケーに優しく言った。
「トゥルー?怖くない?」ケーはまだ目をギュッとつぶっている。
「もう目を開けて。公園を出ようよ。」ケーを安心させるように、僕は言った。
「そうだね。」そう言うと、ケーは目を開けた。
もう、さっきの二人はいない。
「行こ。」そういうと僕はケーの手を繋いで歩き出した。
公園を抜けると、今度は墓地だったっけ。
ケーはかなり尻込みしていたけれど、僕は自信があった。
「大丈夫。」僕は何度も安心させるように言うと歩いた。
とある歩道で、地蔵とカーブミラーが目に入った。
「地蔵なんてやだなぁ。」ケーは苦笑いをしている。
「まぁ、これは地元の物だからさ、気にすることないよ。」と僕はヘタなウインクをした。
「もう、トゥルーったら。」ケーは笑ってくれた。
そうしたら、暗がりから、「キャハハハ。」と魔女が出てきた。
「ギャー!」ケーがまた怖がっている。
「もう、やり過ぎないでくれよ。」僕も苦笑いだ。
「やだよう。」ケーは横道にそれて、走り出してしまった!
「待って!ケー!!そっちじゃないよ。」僕もケーを追いかけたのだった。
ケーを追いかけて行って、ようやく追いついた。ケーはなんだか青ざめているのだった。
「どうしたの?ケー。」僕は、ケーに訊いてみた。
「おかしいのよ。」ケーは本格的に青ざめている。
「何がおかしいの?」と僕。
「だって、道を戻ったはずなのに、さっきの道と違うよ。」ケーは少し震えているようだった。
「ケーは戻ったと思ったんだね?違うよ、さっきは別の道に入り込んでいたよ。」僕は丁寧に言った。
「そうなの?」ケーは凄く驚いているようだった。
「さっき、地蔵とカーブミラーの道まで戻ろう?」僕は道を覚えてるから大丈夫、とも言った。
「なんだ、そうなのね?」ケーは安心したようだった。
二人して歩き出してみる。
だけど、1時間かかってもなかなか元の道に戻れなかった。
様々な道を歩いて気づくと、旅館の前にたどり着いたようだった。
この作品は、どこにも投稿しておりません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-05
物語の続きは、こちらになります。
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