ブログで趣味でプログラミングからお料理まで呟いています。よろしくー。(^-^)/


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●詩、小説●

2024-12-19 03:34:19

バーチャル学校vol3 05

作 林柚希

「トゥルー。薪は足りてる?」ケーが質問してくる。
「そう言われても、僕もたぶんとしか言えないな~。」僕は、『飯盒炊飯(はんごうすいはん)のしおり』を読みながら言った。
『飯盒炊飯のしおり』は、要はご飯を炊くためのマニュアルだ。
「ケーちゃん、最初はあんまり薪を置かない方がいいと思うよ。」とアイちゃん。料理全般わかるんだろうか。
「トゥルー、網の位置はこんなでいいよね?」とスカイハイ。何をやってもかっこいいなぁ。
「あ、うん。これでいいと思う。」僕も頑張らなくちゃ。

体育館での結集会の後、僕達はグーグー鳴る腹を抱えながら、飯盒炊飯のできる場所へやって来て、ご飯を炊く準備をしている。
僕は、お腹空いたなぁ。たぶん、皆もそうだろう。
ひと通り、準備が終わると、ケーとアイちゃんと他の女子で、マッチで火を点けると最初は弱火で様子を見ることにした。

火が飯盒の下をチロチロと燃えていて、時間が経ったら水が飯盒から出てきた。
飯盒の蓋の上に石を置いて重しをして、吹きこぼれないようにする。
そして強火に切り替える。飯盒全体が火に包まれていく。

班の全員が、いよいよ炊かれていくご飯を見て、ワクワクしていた。

吹きこぼれが収まり、もう一度弱火にしたりしていたら、チリチリと音がし始め、ご飯が焦げた香ばしい匂いがしてきた。

「皆、もう少しだね!」アイちゃんが言った。
「そうだよね?もうお腹なっちゃって。」ケーだ。
「お皿の準備しようか。」これは他の女子だ。
女子生徒皆でお皿の準備をしている。

「飯盒を下ろすよ。」これはスカイハイだ。
「オッケー!いいよ~。」これは僕だ。
ガタン。飯盒を下ろすと、やたらと「アチッ。」と言っていたが、男子生徒で飯盒をひっくり返し、中の水分がまんべんなく行き渡るようにした。
飯盒の底を、薪でトントン叩く。

10分程ご飯を蒸らして待って、その間にカレーをつくる準備に入った。

「いただきまーす!」班の皆でカレーライスを前に言った。
水でよく洗ったサラダもある。
麦茶も井戸水で冷やしてあって、なかなか美味しい。

「カレーが、美味いね!」と僕。もうなんでも美味い。
「美味しいよね。」ケーも上機嫌で食べている。
「どうなるかと思ったけれど、上手くできてよかったよね。」とアイちゃん。
「紙皿と紙コップだけど、こういうのもいいよね。」とスカイハイ。ここは文句言っちゃダメだろう。

皆で、それぞれ美味しいね、と言いあいながら飯盒炊飯のお昼は終わった。

お昼ご飯の片付けの後、歯を磨いて休憩をしばらくした。
午後からは、選択制のレクリエーション活動で、海での泳ぎの授業か、スイカ割りのどちらかだった。
僕のいる班は、全員スイカ割りだったので、ワイワイと楽しく過ごせた。
余った時間で、ビーチバレーをやっている奴らもいた。



この作品は、どこにも投稿しておりません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。

物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-01

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-02

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-03

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-04

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-05

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol3-06
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