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●詩、小説●
2024-09-12 12:54:48バーチャル学校vol2 15
作 林柚希
「皆さん!方角が狂っています!」メープルが叫んだ。
「なんだって!」ワンダリング先生が叫んだ。
「コンパスの針がぐるぐる廻っているんです。」メープルが信じられない思いで言ったようだった。
「コンパス、ナゾヒツヨウナカロウ。」奴の声だ。
メープルを見ていた一同は、「マエニイルゾ。」という奴の声に一斉に見た。
奴は小賢しい老人の姿をしていた。
「究極奥義!」奴はこまごまと呪文を唱えると、モクモクと煙に包まれた。
その煙が晴れると、一同、ギョッとした。
「僕だ。」「私だ。」男性陣も女性陣も一斉に言い出して、一同「えっ。」と驚いたようだ。
「いや、奴は私の姿をしているんだよ」ワンダリング先生だ。
「え?僕の姿をしていますよ。」僕が驚いて言った。
いや、私の姿、いや、僕の姿とみんな言い出して驚いている。
「ソウダ。君の姿をしているんだよ。ワハハ。」声だけしゃがれた老人のままだった。
そうか、それぞれ自分の姿をしているんだな、と僕は思った。僕には、奴の姿は僕にしか見えなかったのだった。
皆、ちらっとそれぞれを見て「奴をどうしようか?」と目くばせをしたが、いい案が浮かばない。
リーブスがあの小さな刃物の武器を投げ、僕は火球を顔面に当ててやった。
すると「ギャッ。」と僕の顔で苦悶の表情を浮かべているが平気なようだ。
「おかしい。」リーブスが言いだした。
「刃物が頭に刺さったままなんだけど、なんだか鏡に投げたみたいだよ。」リーブスが言った。
奴はギクッとしたようだ。
「大火球を投げてくれ。」お父さんが叫んだ。
僕、お父さん、お母さん、ワンダリング先生で大火球を投げつけた!
すると、ビシッと僕の姿に亀裂が入り、その欠片がバラバラと落ちていった。
「なるほど。」ケーが言った。
「奴は、四方に鏡を張ったんだね。」ケーが続けて言った。
「大丈夫。ここまできたら、絶対勝てる。私にはわかります。」ケーは自信たっぷりに言った。
「ソウ、オマエノチカラガホシカッタヨ。」奴はからくりがバレても物おじせずに言った。
「ソノ、ヨチノチカラ。ワシニクレ。」奴はケーをねめつけて言った。
「キャー。」ケーは気持ち悪そうな顔をして叫んだ。
「させるか!」僕は続けた。
「何が目的だ。言ってみろ。」僕もねめつけてやった。
「ワシラノ、ショウライのタメダ。ソイツヲヨコセ。」奴は言いのけた。
「お前なんかに絶対渡さない!」僕は、ある呪文を唱えた。
「ワシニ、カテルカナ。」ワハハと笑って奴も呪文を唱えた。
奴は、勝った!と、いう顔をしていたが途端に苦しみだした。
僕は、反射呪文を唱えていた。
奴は、オカシイ、シノジュモンヲ、トナエテ、ヤッタノニ、と言っていた。
皆、納得したようだ。
奴は自分の首を自分で絞めたのだ。
「ギャアアアアー。」奴は長く叫ぶとドサッと倒れた。
ポンッと煙が立った。そこには、凄くガリガリで歳を取ったオークの姿をしていた。
少し近づいたリーブスが、思わず言った。
「奴は、あれ?オークの総頭だ。」
「驚いた。校長はオークの頭だったの?」僕も独り言のように言った。
「ソウダ。ワシハ、オークのソウガシラダ。」ゴボッと青い血を吐いて続けた。
「ワシハ、タイコノムカシノ、オークダ。ジカンノマホウジュツヲ、エトクシテ、ゲンダイにヤッテキタ、ソンザイダ。」奴は更に続けた。
「ワシハ、トクシュナテシタガ、ホシカッタ。ダカラ、トクシュナ、ガッコウヲ、ツクッタ。」ワシハ、と続けようとしたが、ワンダリング先生がとどめを刺した。
ギャ、と短く叫んで死んでいった。
「お前の世迷言なぞ、訊きたくはない。」ワンダリング先生が重く言った。
「そうだな。」お父さんも頷いた。
「良かった。トゥルー、ありがと。」ケーはちょっと赤くなって言った。
「もう、クサいセリフ吐いて。しょうがないな。」ケーは嬉しそうだ。
「そう?クサかった?」僕も頭をかきつつ言った。
「そうだよ。もう、言わせないで。」ケーがなんだか可愛い。
「私、やっとホッとしたわ。」お母さんだ。
「やっと帰れるね、リーブス。」メープルだ。
「そうだね、メープル。」リーブスも、ホッとしたようだった。
「君たちを送ってから、保存の魔法を解いてもらうか。」ワンダリング先生も大安心したようだ。
奴の姿は消えてなくなり、僕たち一同は、テレポートでツリー村まで戻ったのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
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バーチャル学校vol2-05
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バーチャル学校vol2-06
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バーチャル学校vol2-07
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バーチャル学校vol2-08
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バーチャル学校vol2-09
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バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
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バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
「皆さん!方角が狂っています!」メープルが叫んだ。
「なんだって!」ワンダリング先生が叫んだ。
「コンパスの針がぐるぐる廻っているんです。」メープルが信じられない思いで言ったようだった。
「コンパス、ナゾヒツヨウナカロウ。」奴の声だ。
メープルを見ていた一同は、「マエニイルゾ。」という奴の声に一斉に見た。
奴は小賢しい老人の姿をしていた。
「究極奥義!」奴はこまごまと呪文を唱えると、モクモクと煙に包まれた。
その煙が晴れると、一同、ギョッとした。
「僕だ。」「私だ。」男性陣も女性陣も一斉に言い出して、一同「えっ。」と驚いたようだ。
「いや、奴は私の姿をしているんだよ」ワンダリング先生だ。
「え?僕の姿をしていますよ。」僕が驚いて言った。
いや、私の姿、いや、僕の姿とみんな言い出して驚いている。
「ソウダ。君の姿をしているんだよ。ワハハ。」声だけしゃがれた老人のままだった。
そうか、それぞれ自分の姿をしているんだな、と僕は思った。僕には、奴の姿は僕にしか見えなかったのだった。
皆、ちらっとそれぞれを見て「奴をどうしようか?」と目くばせをしたが、いい案が浮かばない。
リーブスがあの小さな刃物の武器を投げ、僕は火球を顔面に当ててやった。
すると「ギャッ。」と僕の顔で苦悶の表情を浮かべているが平気なようだ。
「おかしい。」リーブスが言いだした。
「刃物が頭に刺さったままなんだけど、なんだか鏡に投げたみたいだよ。」リーブスが言った。
奴はギクッとしたようだ。
「大火球を投げてくれ。」お父さんが叫んだ。
僕、お父さん、お母さん、ワンダリング先生で大火球を投げつけた!
すると、ビシッと僕の姿に亀裂が入り、その欠片がバラバラと落ちていった。
「なるほど。」ケーが言った。
「奴は、四方に鏡を張ったんだね。」ケーが続けて言った。
「大丈夫。ここまできたら、絶対勝てる。私にはわかります。」ケーは自信たっぷりに言った。
「ソウ、オマエノチカラガホシカッタヨ。」奴はからくりがバレても物おじせずに言った。
「ソノ、ヨチノチカラ。ワシニクレ。」奴はケーをねめつけて言った。
「キャー。」ケーは気持ち悪そうな顔をして叫んだ。
「させるか!」僕は続けた。
「何が目的だ。言ってみろ。」僕もねめつけてやった。
「ワシラノ、ショウライのタメダ。ソイツヲヨコセ。」奴は言いのけた。
「お前なんかに絶対渡さない!」僕は、ある呪文を唱えた。
「ワシニ、カテルカナ。」ワハハと笑って奴も呪文を唱えた。
奴は、勝った!と、いう顔をしていたが途端に苦しみだした。
僕は、反射呪文を唱えていた。
奴は、オカシイ、シノジュモンヲ、トナエテ、ヤッタノニ、と言っていた。
皆、納得したようだ。
奴は自分の首を自分で絞めたのだ。
「ギャアアアアー。」奴は長く叫ぶとドサッと倒れた。
ポンッと煙が立った。そこには、凄くガリガリで歳を取ったオークの姿をしていた。
少し近づいたリーブスが、思わず言った。
「奴は、あれ?オークの総頭だ。」
「驚いた。校長はオークの頭だったの?」僕も独り言のように言った。
「ソウダ。ワシハ、オークのソウガシラダ。」ゴボッと青い血を吐いて続けた。
「ワシハ、タイコノムカシノ、オークダ。ジカンノマホウジュツヲ、エトクシテ、ゲンダイにヤッテキタ、ソンザイダ。」奴は更に続けた。
「ワシハ、トクシュナテシタガ、ホシカッタ。ダカラ、トクシュナ、ガッコウヲ、ツクッタ。」ワシハ、と続けようとしたが、ワンダリング先生がとどめを刺した。
ギャ、と短く叫んで死んでいった。
「お前の世迷言なぞ、訊きたくはない。」ワンダリング先生が重く言った。
「そうだな。」お父さんも頷いた。
「良かった。トゥルー、ありがと。」ケーはちょっと赤くなって言った。
「もう、クサいセリフ吐いて。しょうがないな。」ケーは嬉しそうだ。
「そう?クサかった?」僕も頭をかきつつ言った。
「そうだよ。もう、言わせないで。」ケーがなんだか可愛い。
「私、やっとホッとしたわ。」お母さんだ。
「やっと帰れるね、リーブス。」メープルだ。
「そうだね、メープル。」リーブスも、ホッとしたようだった。
「君たちを送ってから、保存の魔法を解いてもらうか。」ワンダリング先生も大安心したようだ。
奴の姿は消えてなくなり、僕たち一同は、テレポートでツリー村まで戻ったのだった。
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