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●詩、小説●
2024-09-11 09:52:52バーチャル学校vol2 14
作 林柚希
シュン、と空間全体に音がした。
「皆さん、またワープしたようです。」僕はまた驚いて皆に注意を飛ばした。
地図を見ていると、僕達の立ち位置が飛んでいるのだ。入口付近から北に進んでいたのに、西に位置していたり、今度は真東にいるのだ。特に小部屋に入ると、ワープ現象が起きるようだった。小部屋に入るときは勇気が必要だった。
小部屋のドアを開けると、リーブスは安全を確認して「大丈夫です。」と後ろに声をかけて進んだ。
「カア、カア。」大きなカラスに襲われた時もあった。その時は、リーブス、メープル、ケー以外の魔法使い達で火球の魔法で撃退した。リーブスは小さな刃物を投げつけたりしていた。それは、東方の国の武器だそうだ。
もう、小一時間経過しただろうか。
「休憩にしませんか、皆さん!」メープルが後ろに振り向いて叫んだ。
「そうしましょう!」一番後ろのワンダリング先生が前に聞こえるように叫んだ。
そこは、四方10メートルほどの見晴らしの良い場所だった。お父さんがそこを少しづつ歩き回って、罠の確認をした。
リーブスが燃えの良いマキを出して、お母さんが呪文を唱えて炎をつけた。
「時間が経つのが早いね~。」ケーは腕時計を見て言った。
リーブスとメープルがケーの腕時計を物珍しそうに見ている。
「お茶にしますよ。」お母さんとメープルとケーでお茶を配った。
「これはね、東方の国のお茶ですよ。」メープルが言いそえた。
「ありがとう。」お父さんと僕とリーブスとワンダリング先生はお礼を言った。
「いただきます。」ケーが予めクッキーを配った。クッキーは動物の形をしていた。
「地図はどうだい?トゥルー。」お父さんが質問してきた。
「ところどころ埋まって半分ほどだと思うよ、お父さん。」僕は答えた。
「まだ半分もあるの~?」ケーは根を上げたいそうだ。
「まだまだ、僕は余裕ありますよ。」ワンダリング先生だ。
「私も疲れちゃいましたよ。」メープルも帰りたそうだ。
「あら、私はやっと迷宮に慣れてきましたよ。」お母さんだ。
「僕はオークの気配を感じて緊張してて…。」リーブスは戦々恐々と言った風情だ。
「まぁなんとかなるさ。」お父さんは落ち着いている。
「奴をそのままにはできないよ!」僕は大きな声で言った。奴とは校長の事だ。
「そうだな。まぁ落ち着きなさい。」お父さんがたしなめた。
「そうだ、地図をちょっと見せなさい。」お父さんが僕に言った。
「いいけど、どうしたの、お父さん。」僕は地図を渡しながら言った。
「いいから。…、なるほど、こうなっているのか。」お父さんは続けた。
「あとほとんど真北の方角だけ真っ白じゃないか。そう言いなさい、トゥルー。」
「そうだね、お父さん。」僕は地図を返してもらうともう一度見た。
あちこちの端ばかり見ていたが、お父さんの言う真北の一角だけが真っ白だ。
「その真北の一角を目地しましょう!皆さん。」僕はハッキリそう言うと地図を順番に見せた。
了解、と一同納得したようだった。
お茶を飲み終えた後、道具を片づけて、また迷宮探索に出たのだった。
真北にいる校長に向かって。
それから30分後。
「ぎゃー!あんなにいる!。」やっと最後の一角にたどり着いたと思ったら、オークが50人はいるんじゃないかという大群が後ろを追いかけてきた。
「どうしよう。」女性陣は皆、怖がって足がすくんでいるみたいだ。
僕とお父さんも正直なんの魔法を言ったらいいか、わからない。頭が空回りするばかりだ。
「僕に任せて。」ワンダリング先生だ。
先生は、ばっと両腕を振り上げると、こう唱えた。「十戒!」
すると、左右に地面がごごごごと地鳴りとともに割れて、亀裂を作った。オークはそこに皆落っこちていったようだった。
「すごーい!」僕は思わずパチパチと拍手してしまった。
「すごいですね、ワンダリングさん。」リーブスが言った。
「先生、凄いね!」ケーも凄く驚いている。
「あなた、大丈夫ですの?」お母さんは、目をつぶっていたので、現状をまだ見ていない。
「大丈夫だよ、ワンダリング君が凄い魔法をかけたよ。」お父さんが優しく言った。
「僕の究極魔法の1つだよ。」ワンダリング先生は凄く誇らしげだ。
「凄いですね。」メープルも目をまん丸にしている。
僕は、思わずどんな魔法なら今使えるだろうかと、今まで勉強してきた魔法に思いをめぐ
らした。
「リーブス、メープル。聞いてほしいことがあるんだ。」ワンダリング先生だ。
「君達ドワーフ族の将来なんだけどね。」ワンダリング先生は続けた。
「聞いちゃいけないんですよね。」リーブスが答えた。
「わかってます。」メープルも言った。
「いや、やはり伝えようと思ってね。」ワンダリング先生は優しく言った。
「僕達の世界では、ドワーフ族はいないんだ。」一生懸命考えながら、先生は言う。
「伝承では、オークに滅ぼされたとあるんだよ。」先生は思い出しながら言っている。
「そんな…。」メープルが青ざめて言った。
「だけどね、今オークを滅ぼしちゃったんじゃないかな、僕が。」先生はエヘン、と咳をすると元気づけるように言った。
「恐らく歴史は変わってしまったように思うんだ。」更に先生は続けた。
「だから、この一件が片付いたら、皆頑張って生き抜いてほしい。」先生が言った。
「僕達、未来の人間の願いだよ。」お父さんだ。
「僕達、また会えたらいいな。」僕は希望を言った。
「…、そうですね。」メープルは嬉しそうに言った。
「僕達、元の世界に戻ったら、頑張ります。」リーブスが拳に力を込めて言った。
その時。
「ワハハハハハ。ヨクゾヤッタナ。ミトメヨウ。ハイッテキナサイ。」奴だ。
また皆に緊張が走る。
ドドド、と音がしたので、皆キョロキョロしていると、後ろの壁の一角が下がって、入口になった。
「入ってみるか。」お父さんはマイペースだな。
「行くぞ。」僕は気合を入れた。
皆、それぞれ気持ちの入れ直しをすると、その入口の確認をお父さんがして、安全を確認した上で入って行ったのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
シュン、と空間全体に音がした。
「皆さん、またワープしたようです。」僕はまた驚いて皆に注意を飛ばした。
地図を見ていると、僕達の立ち位置が飛んでいるのだ。入口付近から北に進んでいたのに、西に位置していたり、今度は真東にいるのだ。特に小部屋に入ると、ワープ現象が起きるようだった。小部屋に入るときは勇気が必要だった。
小部屋のドアを開けると、リーブスは安全を確認して「大丈夫です。」と後ろに声をかけて進んだ。
「カア、カア。」大きなカラスに襲われた時もあった。その時は、リーブス、メープル、ケー以外の魔法使い達で火球の魔法で撃退した。リーブスは小さな刃物を投げつけたりしていた。それは、東方の国の武器だそうだ。
もう、小一時間経過しただろうか。
「休憩にしませんか、皆さん!」メープルが後ろに振り向いて叫んだ。
「そうしましょう!」一番後ろのワンダリング先生が前に聞こえるように叫んだ。
そこは、四方10メートルほどの見晴らしの良い場所だった。お父さんがそこを少しづつ歩き回って、罠の確認をした。
リーブスが燃えの良いマキを出して、お母さんが呪文を唱えて炎をつけた。
「時間が経つのが早いね~。」ケーは腕時計を見て言った。
リーブスとメープルがケーの腕時計を物珍しそうに見ている。
「お茶にしますよ。」お母さんとメープルとケーでお茶を配った。
「これはね、東方の国のお茶ですよ。」メープルが言いそえた。
「ありがとう。」お父さんと僕とリーブスとワンダリング先生はお礼を言った。
「いただきます。」ケーが予めクッキーを配った。クッキーは動物の形をしていた。
「地図はどうだい?トゥルー。」お父さんが質問してきた。
「ところどころ埋まって半分ほどだと思うよ、お父さん。」僕は答えた。
「まだ半分もあるの~?」ケーは根を上げたいそうだ。
「まだまだ、僕は余裕ありますよ。」ワンダリング先生だ。
「私も疲れちゃいましたよ。」メープルも帰りたそうだ。
「あら、私はやっと迷宮に慣れてきましたよ。」お母さんだ。
「僕はオークの気配を感じて緊張してて…。」リーブスは戦々恐々と言った風情だ。
「まぁなんとかなるさ。」お父さんは落ち着いている。
「奴をそのままにはできないよ!」僕は大きな声で言った。奴とは校長の事だ。
「そうだな。まぁ落ち着きなさい。」お父さんがたしなめた。
「そうだ、地図をちょっと見せなさい。」お父さんが僕に言った。
「いいけど、どうしたの、お父さん。」僕は地図を渡しながら言った。
「いいから。…、なるほど、こうなっているのか。」お父さんは続けた。
「あとほとんど真北の方角だけ真っ白じゃないか。そう言いなさい、トゥルー。」
「そうだね、お父さん。」僕は地図を返してもらうともう一度見た。
あちこちの端ばかり見ていたが、お父さんの言う真北の一角だけが真っ白だ。
「その真北の一角を目地しましょう!皆さん。」僕はハッキリそう言うと地図を順番に見せた。
了解、と一同納得したようだった。
お茶を飲み終えた後、道具を片づけて、また迷宮探索に出たのだった。
真北にいる校長に向かって。
それから30分後。
「ぎゃー!あんなにいる!。」やっと最後の一角にたどり着いたと思ったら、オークが50人はいるんじゃないかという大群が後ろを追いかけてきた。
「どうしよう。」女性陣は皆、怖がって足がすくんでいるみたいだ。
僕とお父さんも正直なんの魔法を言ったらいいか、わからない。頭が空回りするばかりだ。
「僕に任せて。」ワンダリング先生だ。
先生は、ばっと両腕を振り上げると、こう唱えた。「十戒!」
すると、左右に地面がごごごごと地鳴りとともに割れて、亀裂を作った。オークはそこに皆落っこちていったようだった。
「すごーい!」僕は思わずパチパチと拍手してしまった。
「すごいですね、ワンダリングさん。」リーブスが言った。
「先生、凄いね!」ケーも凄く驚いている。
「あなた、大丈夫ですの?」お母さんは、目をつぶっていたので、現状をまだ見ていない。
「大丈夫だよ、ワンダリング君が凄い魔法をかけたよ。」お父さんが優しく言った。
「僕の究極魔法の1つだよ。」ワンダリング先生は凄く誇らしげだ。
「凄いですね。」メープルも目をまん丸にしている。
僕は、思わずどんな魔法なら今使えるだろうかと、今まで勉強してきた魔法に思いをめぐ
らした。
「リーブス、メープル。聞いてほしいことがあるんだ。」ワンダリング先生だ。
「君達ドワーフ族の将来なんだけどね。」ワンダリング先生は続けた。
「聞いちゃいけないんですよね。」リーブスが答えた。
「わかってます。」メープルも言った。
「いや、やはり伝えようと思ってね。」ワンダリング先生は優しく言った。
「僕達の世界では、ドワーフ族はいないんだ。」一生懸命考えながら、先生は言う。
「伝承では、オークに滅ぼされたとあるんだよ。」先生は思い出しながら言っている。
「そんな…。」メープルが青ざめて言った。
「だけどね、今オークを滅ぼしちゃったんじゃないかな、僕が。」先生はエヘン、と咳をすると元気づけるように言った。
「恐らく歴史は変わってしまったように思うんだ。」更に先生は続けた。
「だから、この一件が片付いたら、皆頑張って生き抜いてほしい。」先生が言った。
「僕達、未来の人間の願いだよ。」お父さんだ。
「僕達、また会えたらいいな。」僕は希望を言った。
「…、そうですね。」メープルは嬉しそうに言った。
「僕達、元の世界に戻ったら、頑張ります。」リーブスが拳に力を込めて言った。
その時。
「ワハハハハハ。ヨクゾヤッタナ。ミトメヨウ。ハイッテキナサイ。」奴だ。
また皆に緊張が走る。
ドドド、と音がしたので、皆キョロキョロしていると、後ろの壁の一角が下がって、入口になった。
「入ってみるか。」お父さんはマイペースだな。
「行くぞ。」僕は気合を入れた。
皆、それぞれ気持ちの入れ直しをすると、その入口の確認をお父さんがして、安全を確認した上で入って行ったのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
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物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
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バーチャル学校vol2-03
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バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
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バーチャル学校vol2-08
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バーチャル学校vol2-09
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バーチャル学校vol2-10
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バーチャル学校vol2-11
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バーチャル学校vol2-12
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バーチャル学校vol2-13
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