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●詩、小説●
2024-09-10 10:02:23バーチャル学校vol2 13
作 林柚希
地図は、結局一人一つ持つようにした。万が一のためだ。
昼ご飯を一同でごちそうになり、その後、村のはずれから、以前に僕とケー、リーブス、メープルで出発した地点から、皆で地底迷宮探検に出ることにした。
しんがりは、リーブス。とメープル。次に僕とケー。その後がお父さんとお母さん。最後にワンダリング先生の順にすることにした。光源をそれぞれ出して、出発。
そして、まず東西に伸びる道のT字路にさしかかった。以前は右(東)に出ると先は崩落現場に出くわしたのだった。まず、そこまで行ってみることにした。崩落現場につくと、なんと板とロープで階段が設けられており、右の壁の穴から川の向こう側へ通ることに成功した。
「リーブス。ここ結構大変だったでしょ。」僕が感心して言った。
「そうだね。村人総出だったからできたよ。」リーブスも嬉しそうだ。
「先へ急ぎましょ。」お母さんだ。
川の向こう側へ全員渡ったところで、一度焚火を設けて、それぞれ地図を見入った。
地図では、北へ道が続いており、もう一度分岐点に差し掛かるようだった。Y字路のようだが、右へ行くと迷宮、左へ行くと、洞窟の出入口のようだった。
お母さんから、今朝焼きたてのマフィンを配って、皆で食べた。小腹が満ちた所でまた出発した。
Y字路だ。迷わず右へ進んだ。そして数分洞窟を進むといきなり広い場所へ出た。
いよいよ迷宮の入口だ。僕はごくっと唾を飲み込んだ。
しんがりのリーブスとメープルが一歩、進もうとしたら笑い声が聞こえてきた。
「ワハハハハ。ヨウコソ、地下迷宮ヘ。ドウゾ、ハイッテクレ。」皆に緊張が走った。
校長だ。絶対そうだ、と僕は思った。
「言われなくても、入るさ!」僕は叫んだ。皆、そうだそうだと言った。
すると、ギィ、という音ととも地下迷宮の入口が開いた。
「ケー大丈夫?」僕は隣にいるケーに小声で訊いた。
「うん、大丈夫。これだけいるんだもん、元気だよ!」ケーは案外落ち着いているようだ。
お父さんも後ろでお母さんと話しているようだ。
一番後ろのワンダリング先生が「先を急いでくれ!」と言ってきた。
「わかりました。」しんがりのリーブスがくるっと後ろを向いて応えた。
入口の門をくぐると、そこは正四角形の大きなタイルを敷いている、迷宮のようだった。
お父さんは、止まってくれ、と言うとみんなで集まり輪を作った。お母さんが羊皮紙を出して、お父さんが呪文を唱えた。すると迷宮の入口が手書きで書かれたかのように写し出された!自動マッピング機能だ。自動マッピングとは、移動した分だけ、自動的に地図に迷宮の内容が、写し出される機能の事だった。
「メープルちゃん、君はコンパスを見ながら歩いてくれるかい?」ワンダリング先生が言った。
「はい、わかりました。…、えとコンパスどこだったかしら?」メープルは、リュックに手を突っ込んで、コンパスを出した。
「トゥルー、この地図を持っていてくれ。」お父さんから、この自動マッピングする地図を渡された。
「何かあったら皆に教えてくれ。」お父さんは続けて言った。
「わかったよ。お父さん。これ凄いね。」僕は感心して言った。
「いやなに。これくらい、どうってことないよ。」父さんは照れているようだ。
「あなた、先を急ぎましょ。」お母さんだ。
「ちょっと待ってくれ。あとな、トゥルー、なるべく周りを見てくれ。そうすると4メートル先くらいまで見た先は自動マッピングされるから。」お父さんは付け加えて言った。
「了解、お父さん。」僕は早速四方を見た。
すると、入口の四方が自動マッピングされた。
「便利だけど、いちいち見るの大変かも。」僕は感想を言ってしまった。
「あなた、私がもう少し魔法をかけなおすわね。」お母さんは地図に呪文を唱えた。
「トゥルー、ちょっと2歩ほど歩いてみてくれる?でも、四方を見なくていいから。」
「わかった」僕一人だけ、2歩、歩いて地図を見た。
「なるほど、前だけ見ていても、四方が自動マッピングされるね。」僕は2歩正確に戻って皆に見せた。
「便利ねー。」メープルが感心して言った。
「先輩、あとこれ持ってもらえますか?」ワンダリング先生が水晶をお父さんに渡した。
「水晶にしては軽いな。」お父さんは感想をもらした。
「軽量化の魔法をかけてありますから。」ワンダリング先生はちょっと自慢げに言った。
「その水晶には罠などの仕掛けが表示されるようにしてあります。ただ持っている者の周辺4メートルまでしかわかりませんが。」ワンダリング先生が言った。すごいな、ワンダリング先生も、と僕は思った。
「お。早速だがまっすぐ進んだ方がよさそうだ。周囲は落ちる罠があるようだぞ。」お父さんの注意が飛んだ。お母さんが小石をそっと拾って、近くの左右に投げてみた。なんと、その小石と一緒にタイルが外れて落ちてしまった。
「ほんとだー。」僕は驚いた。早速自動マッピングで、罠も写されたように表示された。
「びっくりだね。」ケーも、それから皆も驚いたようだった。
一同、迷宮に入るまでの隊列を組むと、少しづつ進んでいったのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
地図は、結局一人一つ持つようにした。万が一のためだ。
昼ご飯を一同でごちそうになり、その後、村のはずれから、以前に僕とケー、リーブス、メープルで出発した地点から、皆で地底迷宮探検に出ることにした。
しんがりは、リーブス。とメープル。次に僕とケー。その後がお父さんとお母さん。最後にワンダリング先生の順にすることにした。光源をそれぞれ出して、出発。
そして、まず東西に伸びる道のT字路にさしかかった。以前は右(東)に出ると先は崩落現場に出くわしたのだった。まず、そこまで行ってみることにした。崩落現場につくと、なんと板とロープで階段が設けられており、右の壁の穴から川の向こう側へ通ることに成功した。
「リーブス。ここ結構大変だったでしょ。」僕が感心して言った。
「そうだね。村人総出だったからできたよ。」リーブスも嬉しそうだ。
「先へ急ぎましょ。」お母さんだ。
川の向こう側へ全員渡ったところで、一度焚火を設けて、それぞれ地図を見入った。
地図では、北へ道が続いており、もう一度分岐点に差し掛かるようだった。Y字路のようだが、右へ行くと迷宮、左へ行くと、洞窟の出入口のようだった。
お母さんから、今朝焼きたてのマフィンを配って、皆で食べた。小腹が満ちた所でまた出発した。
Y字路だ。迷わず右へ進んだ。そして数分洞窟を進むといきなり広い場所へ出た。
いよいよ迷宮の入口だ。僕はごくっと唾を飲み込んだ。
しんがりのリーブスとメープルが一歩、進もうとしたら笑い声が聞こえてきた。
「ワハハハハ。ヨウコソ、地下迷宮ヘ。ドウゾ、ハイッテクレ。」皆に緊張が走った。
校長だ。絶対そうだ、と僕は思った。
「言われなくても、入るさ!」僕は叫んだ。皆、そうだそうだと言った。
すると、ギィ、という音ととも地下迷宮の入口が開いた。
「ケー大丈夫?」僕は隣にいるケーに小声で訊いた。
「うん、大丈夫。これだけいるんだもん、元気だよ!」ケーは案外落ち着いているようだ。
お父さんも後ろでお母さんと話しているようだ。
一番後ろのワンダリング先生が「先を急いでくれ!」と言ってきた。
「わかりました。」しんがりのリーブスがくるっと後ろを向いて応えた。
入口の門をくぐると、そこは正四角形の大きなタイルを敷いている、迷宮のようだった。
お父さんは、止まってくれ、と言うとみんなで集まり輪を作った。お母さんが羊皮紙を出して、お父さんが呪文を唱えた。すると迷宮の入口が手書きで書かれたかのように写し出された!自動マッピング機能だ。自動マッピングとは、移動した分だけ、自動的に地図に迷宮の内容が、写し出される機能の事だった。
「メープルちゃん、君はコンパスを見ながら歩いてくれるかい?」ワンダリング先生が言った。
「はい、わかりました。…、えとコンパスどこだったかしら?」メープルは、リュックに手を突っ込んで、コンパスを出した。
「トゥルー、この地図を持っていてくれ。」お父さんから、この自動マッピングする地図を渡された。
「何かあったら皆に教えてくれ。」お父さんは続けて言った。
「わかったよ。お父さん。これ凄いね。」僕は感心して言った。
「いやなに。これくらい、どうってことないよ。」父さんは照れているようだ。
「あなた、先を急ぎましょ。」お母さんだ。
「ちょっと待ってくれ。あとな、トゥルー、なるべく周りを見てくれ。そうすると4メートル先くらいまで見た先は自動マッピングされるから。」お父さんは付け加えて言った。
「了解、お父さん。」僕は早速四方を見た。
すると、入口の四方が自動マッピングされた。
「便利だけど、いちいち見るの大変かも。」僕は感想を言ってしまった。
「あなた、私がもう少し魔法をかけなおすわね。」お母さんは地図に呪文を唱えた。
「トゥルー、ちょっと2歩ほど歩いてみてくれる?でも、四方を見なくていいから。」
「わかった」僕一人だけ、2歩、歩いて地図を見た。
「なるほど、前だけ見ていても、四方が自動マッピングされるね。」僕は2歩正確に戻って皆に見せた。
「便利ねー。」メープルが感心して言った。
「先輩、あとこれ持ってもらえますか?」ワンダリング先生が水晶をお父さんに渡した。
「水晶にしては軽いな。」お父さんは感想をもらした。
「軽量化の魔法をかけてありますから。」ワンダリング先生はちょっと自慢げに言った。
「その水晶には罠などの仕掛けが表示されるようにしてあります。ただ持っている者の周辺4メートルまでしかわかりませんが。」ワンダリング先生が言った。すごいな、ワンダリング先生も、と僕は思った。
「お。早速だがまっすぐ進んだ方がよさそうだ。周囲は落ちる罠があるようだぞ。」お父さんの注意が飛んだ。お母さんが小石をそっと拾って、近くの左右に投げてみた。なんと、その小石と一緒にタイルが外れて落ちてしまった。
「ほんとだー。」僕は驚いた。早速自動マッピングで、罠も写されたように表示された。
「びっくりだね。」ケーも、それから皆も驚いたようだった。
一同、迷宮に入るまでの隊列を組むと、少しづつ進んでいったのだった。
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物語の初めは、こちらになります。
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