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●詩、小説●
2024-09-04 01:06:49バーチャル学校vol2 07
作 林柚希
森の中を進む。森は地底なはずなのにポワっと明るくて洞窟の時ほどの閉塞感はあまりなかった。たまに鳥の鳴き声もする。そのうち小川が流れている所に出た。
(もうオークはいないかな。)と僕。
(話し声はしないようだから大丈夫よ。)メープルだ。
(じゃ、普通の話し方に切り替えよう。)ケーが多少疲れた様子で言っている。
「地図を見ようか。」リーブスが言いながら地図を広げた。
地図の川は、オークの村より東で、北から南に向かって流れていて、途中で東と南に分かれている。
「でも、この小川まで地図には載っていないよね?」ケーが地図を見ながら言う。
「そうだわねぇ。」メープルが困ったように頷いている。
「とりあえず、小川を遡ってみようよ。」僕が励ますように元気に言った。
「遡れば、きっと大きな川に出られるよ。」リーブスも僕の意図が分かったようだ。
「そうだね。」ケーが言い、メープルも「それなら大丈夫そうね。」と頷いた。
休憩がてら、メープルがガサゴソ出して、皆に配った。
「これはキッシュって言うのよ。食べてみてね。」すかさず、はむっと口にする。
生クリームと卵でできた家庭料理で、パイ生地やタルトの生地にベーコンや、野菜、チーズやクリームを加えるというものだそうだ。
「旨い!」僕が叫んだ。
「もっと食べたい。」リーブスが言った。
「これ、作るの難しそうだね。」ケーは感心している。
「もっとあるけど、取っとくわね。」メープルはニコニコだ。
皆、「そんな~。」と不満気だがまだどのくらいかかるかわからない。仕方ないな。
さて、休憩も終わって、小川を遡ってみることにした。
小川が大きな本流と思われる川に繋がって、ちょっとホッとした。
だが、本流の対岸になにやら建物の密集地がある。
隠れてから、地図を見るとオークの村だった。
ふーっと息をついた一同は、心の通信を始めた。
(危なかったね。)ため息をつきながらメープルが言った。
(捕まったらどうなっていたやら。)リーブスもキツイ目線をオークの村に向けて言う。
(もうちょっとしたら洞窟への道に出そうだね。)地図を見ながら僕が言った。
(これでたどり着きそうだから、キッシュ食べようか。)ケーがホッとして言った。
皆で森の奥で洞窟への道を見つけると、休憩しながら、またキッシュを食べた。
休憩が終わると洞窟への道を辿り始めた。洞窟への道は暗く、たまにコウモリが飛んでいた。
森が途切れ、また暗い洞窟の道が続いている。
洞窟への道は、暗かったが、ランタンやたいまつがあったし、遠くの方に1点、光が見え始めた。
すると、
「まて~!」ガサガサした大声にキャキャ、キーキーとコウモリが逃げ飛んでいるようだ。
こちらへだんだん近づいてくる!
「まずい。逃げよう!」リーブスが走り出しながら言った。
「光の方へ行こう!」僕が言った。
「トゥルー、テレポート使って!」ケーが大声で叫ぶ。
「了解!」僕は1人後ろを振り向き立ち止まった。
遠くの方に大柄の男が2人(オークだ!)こちらへたいまつを持ってやってくる。
「テレポート!」念じて言うと、1人の男がふっと消え、もう1人の足元に現れた。
男たちは、たいまつを落とし、もつれて転がって止まった。
僕は急いで振り向き、皆に言った。
「今のうちだ、急ごう!」
洞窟の1点だった光は、やがて大きな光となり、洞窟は唐突に終わった。
洞窟の向こうは、林になっていた。僕とケーは、現実の僕たちの世界にたどり着いた。
けれど、リーブスやメープルはどうしよう?
「リーブス、それからメープル。ここまでありがとうね。」ケーはお礼を言った。
「いいんだよ、それは。」リーブスは、照れ臭そうに言った。
「それはいいのよ。だけどね。」メープルはつづけた。
「これから私たち2人はどうしたらいいのかしら?」メープルは困った顔をして言った。
「とりあえず」僕は急いで頭をフル回転させながら言った。
「ここから南東に、僕たちが落っこちた大きな木があるから、そこまで送ろうか、ケー。」
「そうだね。」ケーも大丈夫そうだ。
「それなら助かるわ。」メープルは安堵したようだ。
「僕たちまでお世話になるとは、思わなかったよ。」リーブスが申し訳なさそうに言った。
「いいんだよ、リーブス。そうだよね、トゥルー?」ケーが言った。
「そうだね。」僕は短く言うと、南東のケーと落っこちた大きな木を目指して歩き出した。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
森の中を進む。森は地底なはずなのにポワっと明るくて洞窟の時ほどの閉塞感はあまりなかった。たまに鳥の鳴き声もする。そのうち小川が流れている所に出た。
(もうオークはいないかな。)と僕。
(話し声はしないようだから大丈夫よ。)メープルだ。
(じゃ、普通の話し方に切り替えよう。)ケーが多少疲れた様子で言っている。
「地図を見ようか。」リーブスが言いながら地図を広げた。
地図の川は、オークの村より東で、北から南に向かって流れていて、途中で東と南に分かれている。
「でも、この小川まで地図には載っていないよね?」ケーが地図を見ながら言う。
「そうだわねぇ。」メープルが困ったように頷いている。
「とりあえず、小川を遡ってみようよ。」僕が励ますように元気に言った。
「遡れば、きっと大きな川に出られるよ。」リーブスも僕の意図が分かったようだ。
「そうだね。」ケーが言い、メープルも「それなら大丈夫そうね。」と頷いた。
休憩がてら、メープルがガサゴソ出して、皆に配った。
「これはキッシュって言うのよ。食べてみてね。」すかさず、はむっと口にする。
生クリームと卵でできた家庭料理で、パイ生地やタルトの生地にベーコンや、野菜、チーズやクリームを加えるというものだそうだ。
「旨い!」僕が叫んだ。
「もっと食べたい。」リーブスが言った。
「これ、作るの難しそうだね。」ケーは感心している。
「もっとあるけど、取っとくわね。」メープルはニコニコだ。
皆、「そんな~。」と不満気だがまだどのくらいかかるかわからない。仕方ないな。
さて、休憩も終わって、小川を遡ってみることにした。
小川が大きな本流と思われる川に繋がって、ちょっとホッとした。
だが、本流の対岸になにやら建物の密集地がある。
隠れてから、地図を見るとオークの村だった。
ふーっと息をついた一同は、心の通信を始めた。
(危なかったね。)ため息をつきながらメープルが言った。
(捕まったらどうなっていたやら。)リーブスもキツイ目線をオークの村に向けて言う。
(もうちょっとしたら洞窟への道に出そうだね。)地図を見ながら僕が言った。
(これでたどり着きそうだから、キッシュ食べようか。)ケーがホッとして言った。
皆で森の奥で洞窟への道を見つけると、休憩しながら、またキッシュを食べた。
休憩が終わると洞窟への道を辿り始めた。洞窟への道は暗く、たまにコウモリが飛んでいた。
森が途切れ、また暗い洞窟の道が続いている。
洞窟への道は、暗かったが、ランタンやたいまつがあったし、遠くの方に1点、光が見え始めた。
すると、
「まて~!」ガサガサした大声にキャキャ、キーキーとコウモリが逃げ飛んでいるようだ。
こちらへだんだん近づいてくる!
「まずい。逃げよう!」リーブスが走り出しながら言った。
「光の方へ行こう!」僕が言った。
「トゥルー、テレポート使って!」ケーが大声で叫ぶ。
「了解!」僕は1人後ろを振り向き立ち止まった。
遠くの方に大柄の男が2人(オークだ!)こちらへたいまつを持ってやってくる。
「テレポート!」念じて言うと、1人の男がふっと消え、もう1人の足元に現れた。
男たちは、たいまつを落とし、もつれて転がって止まった。
僕は急いで振り向き、皆に言った。
「今のうちだ、急ごう!」
洞窟の1点だった光は、やがて大きな光となり、洞窟は唐突に終わった。
洞窟の向こうは、林になっていた。僕とケーは、現実の僕たちの世界にたどり着いた。
けれど、リーブスやメープルはどうしよう?
「リーブス、それからメープル。ここまでありがとうね。」ケーはお礼を言った。
「いいんだよ、それは。」リーブスは、照れ臭そうに言った。
「それはいいのよ。だけどね。」メープルはつづけた。
「これから私たち2人はどうしたらいいのかしら?」メープルは困った顔をして言った。
「とりあえず」僕は急いで頭をフル回転させながら言った。
「ここから南東に、僕たちが落っこちた大きな木があるから、そこまで送ろうか、ケー。」
「そうだね。」ケーも大丈夫そうだ。
「それなら助かるわ。」メープルは安堵したようだ。
「僕たちまでお世話になるとは、思わなかったよ。」リーブスが申し訳なさそうに言った。
「いいんだよ、リーブス。そうだよね、トゥルー?」ケーが言った。
「そうだね。」僕は短く言うと、南東のケーと落っこちた大きな木を目指して歩き出した。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
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バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
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