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●詩、小説●
2024-08-31 08:26:51バーチャル学校vol2 04
作 林柚希
「さて、本題に入ろうか。」僕が言うと、一同僕の顔を見た。
「この迷宮の外には森があって、僕たちの通う学校があるのは知っていますか?」と僕。
「それは知っているよ。だけど、君たちを驚かせないように、学校の生徒には知らせていないんだ。」これはリーブス。
「だから、僕たち生徒は知らないんだね。」と僕。
「そう。」とリーブス
「だから、迷い込むなんて生徒は皆無だったよね?」リーブスが言った。
「そうだね。」メープルは頷きながら答えた。
「私ちは昔からこの迷宮に住んでいるけれど、迷い道というのはあったけれど、迷宮と言うほどではなかったの。だけど、ちょっと前に地震があってね。」
「地震?」僕とケーが同時に訊いた。
「学校が休校だった頃かな?」僕が言うと、
「さぁ~?」ケーもよく覚えていないらしい。
「それでね、地震が収まると、いつの間にか迷宮、と呼んでいるものが出来上がっていたの。」メープルが思い出しつつ言っているようだ。
「だけど、君たちがこの迷宮に入らずに帰ることはできると思うよ。上手くいけばね。」
リーブスが注意深く言った。
「上手くいけば、って帰るのは難しいのかい?」僕が尋ねた。
「オークと出会わなければね。」顔にしわを寄せてリーブスが答えた。
「オークと言うのは、木の妖怪なんだけど、気が荒くて性格の悪い奴が多いんだよ。」
リーブスが更に顔にしわを寄せて言った。
「なんか怖いね。」ケーが心なしか頼りなげに言った。
でも僕は一応言ってみる。
「そのオークに会ったらどうすればいい?」いざとなったら、僕は戦えるだろうか?
「ひたすら、逃げた方がいい。」リーブスは言った。
「僕たちは争いは好まない種族なんだ。だから、戦わない。」でも、リーブスは言いながらちょっと悔しそうだ。
そうそう、と言って、メープルが1枚の革を広げた。
そこには、『地底迷宮地図』とある。皆でその地図を注目した。
僕たちの落ちた穴は、東の端に位置するようだ。ツリー村は、中央よりやや東南の位置だ。
僕は地図を眺めながら言った。
「僕達は、どこを目指して帰ればいいかな?」
リーブスは地図の東北を指さしながら、「ここを目指せばいいと思う。」と言った。
リーブスの刺した先には、洞窟出入口と書いてあり、そこは学校の森の中のようだった。
現在地のツリー村から、洞窟の出入り口まで、分岐点が幾つかあるが、そこを間違わなければ、無事にたどり着けそうだ。
「できればその地図のコピーを貰えないかな?はぐれないとは思うんだけど心配だから。」
ケーが言うと、「これも物々交換できるかい?」リーブスに言われた。
うーん、どうしよう。
僕が考え込んでいると、ケーがこともなげに言った。
「あ、私ね予知が少しできるんだ。2人の将来を予知できるよ。どうする?」
ケーはニコニコだ。なんだろう。
「それならね、地図は1枚だから、一人だけ予知してもらえる?」と、リーブスが言いながらメープルと話し合って、メープルの将来を予知することになった。
ケーとメープルはキッチンへ行って小声で話し合っている。
しばらくしてケーとメープルが戻ってきた。2人ともニコニコだ。
メープルは、ちょっと頬を上気させてうっとりしているようだ。その様子を見ていたリーブスが「どうしたの?」と尋ねても、「いい将来で良かった。」とメープルは嬉しそうに言うだけだった。地図は、ケーに持ってもらうことにした。
「他に迷宮に行くのに必要なものはあるのかい?」僕は、考えていたことを口にした。
「そうだね、ランタンとか少量の食べ物とかロープくらいかな。」リーブスが言った。
「あとね、リュックかカバンあるかな?」僕は言った。
「僕はたいして荷物を持っていないから、収納できる入れ物が欲しいんだけどね。」
でも、物々交換どうしよう?
そうしたら、「それなら、僕も将来を予知してもらおうかな?」リーブスがケーに言った。
「いいよ~。」とケー。
ケーとリープスはやはり小声で話し込むと、嬉しそうな顔をしてリーブスが戻ってきた。
そのうち教えてもらおうかな。ま、いいか。
「さっき言った道具とリュックは揃えるから大丈夫だよ。」リーブスが言った。
メープルが道具を揃えるために外出していった。
メープルが、ひと通り入ったリュック2つと肩掛けカバンを持って戻ってきた。
リュックを比べて、メープルの持ってきたリュックの方が重かったので、そちらを僕が1つ持つことにした。もう1つのリュックはリーブスが持ち、肩掛けカバンはメープルが持った。リーブスもメープルもなんだか嬉しいそうだな。羨ましいな。
いよいよ、ツリー村をあとにして迷宮へ足を踏み入れたのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-16
「さて、本題に入ろうか。」僕が言うと、一同僕の顔を見た。
「この迷宮の外には森があって、僕たちの通う学校があるのは知っていますか?」と僕。
「それは知っているよ。だけど、君たちを驚かせないように、学校の生徒には知らせていないんだ。」これはリーブス。
「だから、僕たち生徒は知らないんだね。」と僕。
「そう。」とリーブス
「だから、迷い込むなんて生徒は皆無だったよね?」リーブスが言った。
「そうだね。」メープルは頷きながら答えた。
「私ちは昔からこの迷宮に住んでいるけれど、迷い道というのはあったけれど、迷宮と言うほどではなかったの。だけど、ちょっと前に地震があってね。」
「地震?」僕とケーが同時に訊いた。
「学校が休校だった頃かな?」僕が言うと、
「さぁ~?」ケーもよく覚えていないらしい。
「それでね、地震が収まると、いつの間にか迷宮、と呼んでいるものが出来上がっていたの。」メープルが思い出しつつ言っているようだ。
「だけど、君たちがこの迷宮に入らずに帰ることはできると思うよ。上手くいけばね。」
リーブスが注意深く言った。
「上手くいけば、って帰るのは難しいのかい?」僕が尋ねた。
「オークと出会わなければね。」顔にしわを寄せてリーブスが答えた。
「オークと言うのは、木の妖怪なんだけど、気が荒くて性格の悪い奴が多いんだよ。」
リーブスが更に顔にしわを寄せて言った。
「なんか怖いね。」ケーが心なしか頼りなげに言った。
でも僕は一応言ってみる。
「そのオークに会ったらどうすればいい?」いざとなったら、僕は戦えるだろうか?
「ひたすら、逃げた方がいい。」リーブスは言った。
「僕たちは争いは好まない種族なんだ。だから、戦わない。」でも、リーブスは言いながらちょっと悔しそうだ。
そうそう、と言って、メープルが1枚の革を広げた。
そこには、『地底迷宮地図』とある。皆でその地図を注目した。
僕たちの落ちた穴は、東の端に位置するようだ。ツリー村は、中央よりやや東南の位置だ。
僕は地図を眺めながら言った。
「僕達は、どこを目指して帰ればいいかな?」
リーブスは地図の東北を指さしながら、「ここを目指せばいいと思う。」と言った。
リーブスの刺した先には、洞窟出入口と書いてあり、そこは学校の森の中のようだった。
現在地のツリー村から、洞窟の出入り口まで、分岐点が幾つかあるが、そこを間違わなければ、無事にたどり着けそうだ。
「できればその地図のコピーを貰えないかな?はぐれないとは思うんだけど心配だから。」
ケーが言うと、「これも物々交換できるかい?」リーブスに言われた。
うーん、どうしよう。
僕が考え込んでいると、ケーがこともなげに言った。
「あ、私ね予知が少しできるんだ。2人の将来を予知できるよ。どうする?」
ケーはニコニコだ。なんだろう。
「それならね、地図は1枚だから、一人だけ予知してもらえる?」と、リーブスが言いながらメープルと話し合って、メープルの将来を予知することになった。
ケーとメープルはキッチンへ行って小声で話し合っている。
しばらくしてケーとメープルが戻ってきた。2人ともニコニコだ。
メープルは、ちょっと頬を上気させてうっとりしているようだ。その様子を見ていたリーブスが「どうしたの?」と尋ねても、「いい将来で良かった。」とメープルは嬉しそうに言うだけだった。地図は、ケーに持ってもらうことにした。
「他に迷宮に行くのに必要なものはあるのかい?」僕は、考えていたことを口にした。
「そうだね、ランタンとか少量の食べ物とかロープくらいかな。」リーブスが言った。
「あとね、リュックかカバンあるかな?」僕は言った。
「僕はたいして荷物を持っていないから、収納できる入れ物が欲しいんだけどね。」
でも、物々交換どうしよう?
そうしたら、「それなら、僕も将来を予知してもらおうかな?」リーブスがケーに言った。
「いいよ~。」とケー。
ケーとリープスはやはり小声で話し込むと、嬉しそうな顔をしてリーブスが戻ってきた。
そのうち教えてもらおうかな。ま、いいか。
「さっき言った道具とリュックは揃えるから大丈夫だよ。」リーブスが言った。
メープルが道具を揃えるために外出していった。
メープルが、ひと通り入ったリュック2つと肩掛けカバンを持って戻ってきた。
リュックを比べて、メープルの持ってきたリュックの方が重かったので、そちらを僕が1つ持つことにした。もう1つのリュックはリーブスが持ち、肩掛けカバンはメープルが持った。リーブスもメープルもなんだか嬉しいそうだな。羨ましいな。
いよいよ、ツリー村をあとにして迷宮へ足を踏み入れたのだった。
この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。
物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-04
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-05
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-06
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-07
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-08
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-09
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-10
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-11
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-12
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バーチャル学校vol2-13
物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-14
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バーチャル学校vol2-15
物語の終りは、こちらになります。
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