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●詩、小説●

2024-08-29 13:23:50

バーチャル学校vol2 02

作 林柚希

木の虚の中は、段々薄暗くなって、やがて何も見えなくなってきた。
「マズイな、このままじゃ。」僕は、何かいい魔法は無かったか、頭の中をめぐらしているが、いい案が見当たらない。
「これなんか、どうだろう?」カチッと音がして、地面に光が現れた。
「懐中電灯?用意がいいねぇ。」僕はヒューっと口笛を鳴らした。
「ま~ね。」ケーはまんざらでもないようだ。

とりあえず、しばらく先を進むと、何やら「キャッ。」とケーの叫び声が小さく響いて、どさっと倒れたようだった。と同時に地面の光はコロコロと転がり、消えてしまった。
「げ。本当に?」僕が思わず口にした。
「トゥルー、どうしようか?」とケーがまいった、とばかりに口にする。
「何か光源でも無いかな?」ケーの言葉に、思わず。
「それだ!」僕は、ペンケースからペンを一本選んだ。でもこれは、真っ暗闇の中でしているので手探りの状態だ。そして、指でペン先の逆を確認すると、ビシっと持ち、こう唱えた。
「真の光をこれへ!」
すると、ペンの先の逆がぽわっと光が点り、ビーっと地面に当たった。なんだか青白い光だった。それから、もう一度唱える。
「地の光よ、真円を描け!」
点だった地面の光は、1,5メートルくらいの円を描き地面を照らしている。
「トゥルー、凄いね!」ケーは思わず拍手していた。
「それほどでも、あるかな?」僕が思わずニカっと笑って言った。
「もう、トゥルーったら。」ケーも笑っているのが薄暗がりに見える。
「さて、行こうか。」僕が促した。
しばらく先へ進んでも、何も変化が無かった。時計を見ると、5分ほど進んだろうか。
「ヤッホー!」ケーがなんとなく大声を出している。
すると。
遠くから、何かの鳴き声が聞こえだして、段々と近づいてくる。
これにギョッとしたケーが、「トゥルー、怖いよ~」としがみついてきた。
僕も、近づいてくるものが、洞窟の天井から聞こえだしていたので、ケーと一緒に地面に伏せた。
すると、頭上に「キャキャ」と鳴き声がしてトゥルー達の道を通っていく。何だろう。
光を天井に向けると、割と大きなコウモリが羽ばたきながら、やがて通り過ぎていった。
「びっくりしたね~。」僕は、ケーの補助をすると2人とも立ち上がって、そしてケーが言った。
「ごめんね、トゥルー。急に大声なんか出すもんじゃないね。」
「仕方ないよ、大丈夫?」僕はケーに光を当てて、どこも何ともないのを確認した。
ペン先の光を元に、また2人とも歩き出した。

1本道をずぅっと歩いていくと、奥から段々と明るい光が見えてきた。
「出口かな?」ケーが心なしか嬉しそうだ。
「そうかもしれない。」僕も心が弾む。
「行ってみよう!」2人とも小走りになっていた。

光だ。
そして、出入口いっぱい輝いている。
そこにたどり着くと、そこは野球場ほどの広さの洞穴、といったらいいだろうか。
中央には、巨大な木が生えていて、木で組み上げた通路や階段がついている。
木のあちこちにランプがついていて、真昼の明るさ、ではないが雰囲気を醸し出している。
広さからすると、村、なんだろうか。

「ようこそ!ツリー村へ。」ディズニーの白雪姫に出てくる小人のような姿の村人が、そう、案内してくれた。
「ツリー村?」僕トゥルーはオウム返しに訊いた。
「そうだよ?何しにこの村へ来たんだい?」僕たちを見て、また尋ねてきた。
「君たちは、人間だね?」
「そうだよ。」と僕。
「君たちは人間かい?」ケーが尋ねた。
「違うよ。僕たちはドワーフ、って言うんだよ。」村人が答えた。
「ドワーフ?」2人とも同時に言った。
「そう!僕の名前はリーブス。よろしくね。」ドワーフのリーブスがにっこり笑った。
「僕はトゥルー、よろしく。」僕も、思わずにっこりした。
「私はケー。よろしくね。」ケーも微笑んでいる。

「それで、どんな用事でこの村へ来たんだい?」リーブスは、顔にクエスチョンマークがついているかのようだ。
僕が、学校の森の木から落ちて、地底探検する羽目になった話を、かいつまんですると、リーブスは、「そりゃ災難だったね。」と苦笑した。
「ここの迷宮は広いから、出口まで、僕ともう一人で出口まで案内するよ。」とリーブス。
もう一人、メープルという女性ドワーフと一緒に出口まで、案内することになった。



この作品は、どこにも投稿していません。
いわばおろしたての作品でしょうね。
最後まで載せますので、どうぞ楽しんでくださいね。

物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-01

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-02

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校vol2-03

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物語の続きは、こちらになります。
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物語の終りは、こちらになります。
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