ブログで趣味でプログラミングからお料理まで呟いています。よろしくー。(^-^)/


先月  2024年 8月  来月




1 23
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
2526 27 28293031

文字サイズ変更:
トップページ > 詩、小説

●詩、小説●

2024-08-02 04:02:22

忘れ形見vol.6その後の私達

作 林柚希

あ、勇人が来た。
優斗だったね。
いいよ、勇人で。
やっと二人そろったね。
この時を待っていたの。
私の人生は充実していたけれど、やっぱり勇人がいなくて寂しかった。
俺も必死に祈って優斗として転生したけれど、あまり意味はなかったな。

ううん、違うよ。すごく嬉しかった。出逢えて、自分の気持ちに決着がつけられた。
でもね、死の淵に立った時、また勇人に逢いたいなぁって思い出したんだよ。

そうか。嬉しいな。俺もそうだったよ。優斗の人生も充実していたけれど、死に際に、今度こそ葵と一緒になりたいと思ったんだ。

嬉しい。ありがとう。今度こそ、同じ年で転生して出逢いたいね。

そう、今度は俺、できれば隣同士で生まれたいな。

今度こそ。
今度こそ…。

神様は贅沢なお願いって言うかな。
神様ならきっと聞き届けてくれるさ。

今も持ってる?あのメガネ。
持っているよ。ほら、これ。
俺はね、それ一番似合っていたけどそういうの、照れ臭かったから渡したんだ。
そうだっけ。
もう、ちゃんと言ったろ~。
まぁまぁ。このメガネに向かってお祈りをしようよ。
そうだね。俺たちにとってピッタリだ。

メガネに向かって、2人がお祈りをするとピカっと光りだした。メガネはすーっと浮き上がるとふっと消えた。メガネは神様の元に届いたようだった。

そなたたちの願い、聞き届けた。
きっと願いに沿うようになるじゃろうて。二人とも、よう頑張ったの。

ありがとうございます、神様。
きっと今度は、一緒だね。

数年後―。
「葵ちゃん、お誕生日おめでとう!」
「勇人ちゃん、お誕生日おめでとう!」
「二人とも、ろうそくの火を吹き消して。」
「はーいママ。」
「はーいおかあさん。」

「ふぅ~。」
「ママ、葵、その場所のケーキ食べたい。チョコも忘れないでね。」
「おかあさん、おれも同じ場所がいいな。葵ちゃん、チョコ半分こしようよ。」
「もう!勇人ちゃんすぐマネっこするんだから~。」

ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、仲良うやっておるようじゃな。
これで、ええじゃろうて。神様業も肩がこるの。コキコキ。この二人もちゃんと願いどおり転生できたようじゃし、大丈夫じゃろうて。さて、別の場所を視察しようかの。


この作品も、とある編集部へ送った投稿作品です。
以前に送った作品は、規定枚数を超えていたので、
今回は超えないように、四苦八苦して書いた作品です。
でも、選外にもれてしまいました。
お読みいただき、ありがとうございました。

物語の初めは、こちらになります。
忘れ形見 vol.1 亡くなった彼氏

物語の続きは、こちらになります。
忘れ形見 vol.2 その時俺は

物語の続きは、こちらになります。
忘れ形見 vol.3 死んだ俺は

物語の続きは、こちらになります。
忘れ形見 vol.4 その後の俺

物語の続きは、こちらになります。
忘れ形見 vol.5 その後の俺2

物語の最後は、こちらになります。
忘れ形見 vol.6 その後の私達
Print Twitter(test) short URL いいね:15

back to the TOP


PR (i)