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●詩、小説●

2024-06-06 01:01:42

バーチャル学校vol1 14

作 林柚希

僕とケー、スカイハイとアイちゃんは散々文句言いながら、
途中でワンダリング先生と別れて教室に戻ってきた。

下校途中で、今日もケーに家に来てほしいことを伝えた。

バタン。家のドアを閉めると、心なしかホッとして、
「母さん、ただいま!」大きな声で言う。

ベランダから「おかえり!」母さんの声だ。

服を着替えると、母さんに生徒指導室に呼ばれたことを伝えた。
びっくりして母さんは、話を聞いてくれる。
そして、先生とケーが今日も来ることを言った。

自分の部屋に戻ると、ほぉ~っとため息が漏れた。
今日は緊張したなぁ。
あんの、生徒指導室の先生には腹が立ったが。

それはさておき。
残りの『魔法の書 中級編』を読み終わらなくちゃ。
あとは、この項だけだ。
その項目には、こう書かれていた。『テレポート』
テレポートとは瞬間移動の魔法なのだけど、一般の人々には、
知られてはいけない、とされていた。

またイメージの特訓だ。
コピー用紙を2枚用意して、片方に消しゴムを置いた。
それぞれに魔法陣を張ると、消しゴムに呪文をかけ、
もう片方にこう言い放った。

「テレポート!」
消しゴムは、徐々に姿を消したと思っていたら、
「トゥルー?」母さんの声が小さく聞こえる。
「いっけね!」

消しゴムは、もう片方のコピー用紙の上に乗っていた。
ほっとしてよく見ると。「げっ。」
消しゴムは、2つに割れていた。

またやり直しだ。
その時、「トゥルー?いるの?」
カチャ。
部屋のドアを開けて、ケーと母さんが部屋に入ってきた。
「ケーちゃんが来たからね。…あなたの事、信用しているわよ。」
ウインクすると、母さんは部屋から出ていった。

ま、いっか。これはまた今度で…。
「トゥルー?いい?」ケーだ。
「いいよ。来てくれてありがとう。」

一応、部屋全体に魔法陣を張る。
トゥルーを見て、ケーはなんとなくわかったようだ。
「トゥルー、今夜、何かがここに来るよ。」ケーが真剣なまなざしで言う。
「ケー、それって。…予知かい?」思わずブルッときた。
「そう、えとね、ワンダブル先生の本で、力が増したみたい。」
ふふっと笑うケー。

「それとね。」ケーは学校入学の時に渡された、先生紹介のパンフレットを出してきた。
あれ?マルバツがついている。
「このマルバツは何?」僕は思わず聞いた。
「先生の顔写真を見てね、予言というか、占いをしてみたんだ。」ケーは自信ありげだ。
「それで?」僕はまだ話が見えてこない。
「先生の中で闇協会に加担している奴にバツ印をつけたよ!」ケーは言ったぞ、といった風だ。
「えっ。」
「じゃ、この校長先生と、…。三人の先生が加担している可能性が…。」僕は思わずごくりとつばを飲み込んだ。
「高いね。絶対、当たってるって!」ケーがすごく見えてくる。
「すごいね、ケー後で母さんと父さんとワンダリング先生にも話そう。」
「そうだね。」

話を終えると、ちょうど父さんが帰ってきたのと、夕飯の時間がきたのだった。


この作品は、とある編集部へ送った投稿作品です。
がんばって書いたら、どう考えても規定枚数を超えてしまいました。
だけど、熱意が伝わっていいかも、と送ってしまった作品です。
もちろん、選外にもれてしまいましたが。
この先も続きますので、楽しみにしていてください。

物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 01

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 02

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 03

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 04

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 05

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 06

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 07

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 08

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 09

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 10

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 11

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 12

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 13

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 14

物語の終わりは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 15-17
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