ブログで趣味でプログラミングからお料理まで呟いています。よろしくー。(^-^)/


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●詩、小説●

2024-05-30 00:31:16

バーチャル学校vol1 07

作 林柚希

キーンコーンカーンコーン。
やべ、また始業ベルが…。
トゥルーは、慌てて学校に来ると、途中で「おは…、さっき言ったね。」
と苦笑いするケーに出会った。
一緒にダッシュして、校門をくぐり、ワンダリング先生に会った。
「おはよう、トゥルー、ケー。」と笑いながら言ってきた。
「おはようございます、先生。」二人とも挨拶すると、こっそりと
「学校では二人に渡した本は禁句だよ。いいね。」念を押すと、先生は、じゃ、と言って校舎に入っていった。
「そーんなこと言っても、ねぇ?」ケーは同意を得たいとこっちを見てくる。
「しょうがないだろ?誰が聞いてるかわからないからな。」と僕は言う。
ケーもこっそりと言ってくる。
「大体さ、先生も上手く隠しすぎなんだよ。恐らくボロを出すかしないと、あっちの動向なんてわからなくない?」
ケーも策略をめぐらしてくるなぁ。
「危ないって、それじゃ。こっちの内情がバレるだろ?どう痛い目を見るかわからいよ。」僕も考えながら言う。
「まぁいい。急いで校舎には入ろう?遅刻しちゃうよ。」と僕。
「そうだね、相談は、また後で。」ケーが言うと、二人して急いで校舎に入った。

時間が経ち、3時間目。
「次は理科だったよね?」ケーに僕が言う。
「そうだね。実験だったと思うけど、解剖なんてないよね?」ケーは嫌な顔をして言った。
「僕もそういうのは苦手。確か科学実験だったはず。」僕の言葉でケーはホッとしたらしい。
「まいっか。実験室に行こう。」ケーに言われて、そうだね、と一緒に行った。

歩きながら、トゥルーにケーが
「私もね、本を貸してもらえて実は嬉しかったんだ。」ケーは嬉し気にふふっと笑った。
「トゥルーはどんな気持ちだったの?」ケーが聞いてくる。
「僕は嬉しかったし得意げだっただろ?」僕はちょっと恥ずかしかった。
「ケーには嫌味に思えたかもな。ごめんな。」僕は考えながら言った。
「正直、いいなーこのー!って思ってたけど、私も得意げだったんだよ?」ケーもなんだか照れ臭そうだ。
「私の友達にね、そんな存在がいたら、自慢できるもん。」またケーがふふっと笑った。
僕もなんだか照れ臭くなって、へへっと笑った。
お、理科室だ。
「ここだ、入ろう?」ケーが言った。

さて、理科の授業が始まった。
先生が、理科の実験の説明をしている。
「火薬を使わない線香花火の作り方」だそうだ。塩硝や硫黄や木炭を使って和紙に乗せてこよりにするそうだ。
硫黄は変な匂いがするからやだなぁ、とケーが言っていた。
そして、いくつかのグループに分かれて、実験を開始した。
そして、皆でこよりにした線香花火に火をつけることになった。
火をつけると、本当の線香花火のように小さな丸い火の玉になって、火花が散り始めた。
お!やった!!と、思わずリキんだら、ポトっと火の玉が落ちてしまった。
「あ~!!」終わっちゃった。
僕は、仕方ない、とケーを見たら、ケーはわりと長く花火をしていたので感心してしまった。
他を見ると、げっと思わずのけぞっている奴や、あれ?と首をかしげている奴をみかけたので、そちらを観察してみた。
すると、黒い長い矢印のような尻尾をつけた変な奴がふよふよ浮きながら、同じグループの奴にいたずらしているのを見てしまった!!
「なんだ?こいつ。」思わず、呟くと、その全身黒い奴は、「んゲ」と短くびっくりしたようでそのまま逃げてしまった。
しまったな、思うと同時に「先生!トイレ行ってきます!」僕はとっさにそう言うと、一目散に追いかけていった。
奴は何者だ!?一体…。僕は疑問でいっぱいだったが、きっと答えはあると山勘はささやく。
奴は、廊下をふよふよ浮きながらある一角のドアの前で、ドアに吸い込まれて消えた。
ルームプレートを見ると、そこには「校長室」と書かれていた…!!
「嘘だろ…?」角で見ていた僕は、そう呟くと、慌てて理科室に戻ろうとしてギクリとした。
後ろには、厳しい顔をしたワンダリング先生がいた。
先生は、「君を追いかけていたらここに来たんだ。何をみたんだ一体!!」先生は鬼気迫る形相だ。
「僕は…。理科実験でいたずらをしている変な奴を見かけて…。」僕はびっくりしてそのままの勢いで白状した。
「その変な奴は!?」先生も要領を得なくてわかりにくいようだ。
「矢印のようなしっぽが生えた、真っ黒な赤ん坊みたいな変な奴でしたよ。」僕は思い出しながら言う。
「そんな奴が…。それで、追いかけたんだね?」先生も必死で考えているようだ。
「そうです、それで、そこの『校長室』の前でドアに吸い込まれて行って…。」僕は心配になってきた。
「先生はどうして今そこに?」
「僕はたまたまトイレに行く途中で、君を見かけたんだよ。」先生は思い出しながら、
「それで君を見かけてね。声をかけたんだが、返事はしないし様子が変だったから追いかけたんだよ。」先生の答えにホッとして。
「そうですか。それで、奴はなんだったんでしょうか?先生ならわかりますか?」僕は別の疑問をぶつける。
「そいつは使い魔、じゃないかな。闇協会…、この話は今度。もう理科実験室に戻りなさい。」急に先生ぶると、「あ、どうも。」挨拶をしている。
「ワンダリング先生、せいがでますな。」校長先生がいた!
「いえいえ。」先生も精一杯笑顔になる。
「その生徒は?」校長先生は聞いてくる。
「あ、僕トイレに行こうとして、道に迷っちゃったみたいです。」思わずヘタりそうになるのを必死にごまかす。
「僕が連れていきますから。」先生が、「さ、行こうか。」と言うと校長室前を後にした。
理科実験室に戻りながら、先生が「後で君の家に行くから。両親にそう言いたまえ。」とまた厳しい形相で言う。
「わかりました、先生。」僕は足に感覚がないのに気づいた。あ、大丈夫か、僕の足!?
ああ、びっくりした…!!
理科実験室に戻ると、いつのまにか授業の終わりのベルが鳴っていたらしく、ケーが、
「長いよ!トイレ!」プーっと膨れている。
僕は、やっと人心地がついて、「ケー!」後で言いたいことがあるから、と僕の慌てた様子に何かカンが働いたらしく。
「わかった。後で聞くね。」と理科実験室を出た。
その日のお昼休みに、こっそりとさっきの出来事をケーに言うと、ケーもゾッとしていたのだった。


この作品は、とある編集部へ送った投稿作品です。
がんばって書いたら、どう考えても規定枚数を超えてしまいました。
だけど、熱意が伝わっていいかも、と送ってしまった作品です。
もちろん、選外にもれてしまいましたが。
この先も続きますので、楽しみにしていてください。

物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 01

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 02

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 03

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 04

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 05

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 06

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 07

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 08

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 09

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 10

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 11

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 12

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 13

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 14

物語の終わりは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 15-17
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