ブログで趣味でプログラミングからお料理まで呟いています。よろしくー。(^-^)/


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●詩、小説●

2024-05-26 05:36:21

バーチャル学校vol1 03

作 林柚希

ガチャ。
「母さん、ただいま。」バタン。
学校から戻ると、すぐにルームウェアに着替えて、ドサっとソファに座った。
「お帰り、トゥルー。」
ベランダから戻ってきた母さんは、2、3植物の葉を持っている。またハーブかな。
「学校で何か変わった事があったのかい?」
ギクっとしたけど、なるべく平静を装って応えた。
「そんなことないよ。」
「そう。」特に気づかなかったようだ。
「じゃ、おやつの時間にしようか。」
心底ホッとして、元気に言った。
「そうしよう!今日はなあに?」
台所でガサゴソやりながら、母さんは、
「ハーブティーと、ホットケーキなんてどう?」
僕はハーブティーはちょいニガテ。だから、
「僕は紅茶がいいな。で、ホットケーキは賛成。」
母さんは、仕方ない、って顔して。
「じゃ、手を洗ってきてね。」
「はーい。」素直にソファーから移動して、手を洗う。
「もうちょっとで焼き上がるわよ。席についてね。」
「りょーかい!」僕はおどけて言うと席についた。
そのテーブルには、木の皿に僕愛用の空の絵に斜めに雲がすっと入ったコップから、紅茶のいい香りがしている。
木の皿には、ホットケーキが2枚乗っている。
優しい、いい香りがする。
「いただきまーす!」
まず、ちょっとメープルシロップをかけて、フォークで食べる。パクパクと。
「うまーい。」ふわふわのホットケーキは、なかなかだ。
もう少し食べたかったけど、お皿に乗っている分だけにして、僕は自分の部屋に戻った。
僕は、コップだけ、紅茶を足して持ってくると、机に置き、カバンから、あの本を取り出す。
そう、『はじめての魔法』だ。
もう、呪文を唱えなくても、開くようだ。
この本は、僕を認識しているのだろうか。
まあ、いっか。
序章と、始めの呪文の説明を読む。
まずは、…硬質化の魔法?なんで?
と思ったけれど、まずは試してみよう。
コピー用紙を机の上に置いておき。
「レンガになれ」…ポンっと煙が少し上がるとコピー用紙が薄いレンガになった、のかな?
コンコン。指で叩くと硬い音がする。
持ってみると、元が紙とは思えない重さだ。
ま、薄いから軽いけど。
次。火の呪文だ。
レンガの上で、呪文を唱える。
「火よ、おきろ!」ボンっと煙があがり、火がレンガの上におきた、としか言えない現象が起こった。
火は、レンガいっぱいの大きさで焦ったけど、5秒程で消えた。あとには、レンガに炭のような跡がある。
あっだから、レンガが先だったんだ。
うわっ。すげっ!
僕は、足をバタバタすると、大興奮してきた。
ぼ、僕マジで魔法使いだ!
ひとしきり、興奮していると、次から次へと読み込んだ。
火、水、と入れ物の魔法を試した所で、お腹が、ぐぅ~っと鳴った。
「腹減ったなあ。」
そろそろご飯だ。レンガや入れ物に、
「元に戻れ!」ポンって音がして、ただのコピー用紙に戻した。
ちょうど、その時、壁越しに「ご飯よー」って聞こえてきた。
「わかったー!」大声で返事をすると片付けて、リビングに向かった。

席につくやいなや、ガシガシと食べ始め、あっという間に食べ終わると、また部屋に戻って、あの本を読むんだ!
割と薄い本なので、うまく行ったら、一晩で読み切ることができるかも。
でも、そうしたら、ケーに自慢しちゃおうか。
そして、この本、今手にしている本を読んで、貸してくれた先生になんて言おう。
僕は、まだまだだ。
もっと読んでみたい。
今日は、完徹するつもりで、頑張る!
トゥルーは、朝方まで、魔法の本を読みふけるのでした。


この作品は、とある編集部へ送った投稿作品です。
がんばって書いたら、どう考えても規定枚数を超えてしまいました。
だけど、熱意が伝わっていいかも、と送ってしまった作品です。
もちろん、選外にもれてしまいましたが。
この先も続きますので、楽しみにしていてください。

物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 01

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 02

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 03

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 04

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 05

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 06

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 07

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 08

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 09

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 10

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 11

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 12

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 13

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 14

物語の終わりは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 15-17
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