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●詩、小説●

2022-12-06 11:23:07

賢者の贈り物



12月になった。
もうすぐクリスマスだね。
ジム、贈り物を考えるのが楽しみだね。
デラ、今からワクワクするよ。

でもジム、私達の家は貧乏ですものね。
どうしたらいいかしら?

デラ、心配する事はないさ。
贈り物には心を込めるのさ。
そう、思わないか?

ジム、そうだわね。
さて、食事にしましょう。

さて、数日後。
ジムへの贈り物は、どうしましょうか。
そうだ、あれがいい。
それには、これを売るしかないかな。

一方、ジムは。
デラへの贈り物は、どうしようか。
デラは、あれを欲しがっていたな。
そうだ、あれにしよう。

クリスマス当日。
デラ、ただいま。
おかえり、ジム。
その髪!どうしたんだい?!

うん、サッパリしたくて、切っちゃったの。
似合わないかしら?

そんなことはないよ!
似合っているよ。
だけど、デラ自慢の綺麗な髪だったのにな。
僕はね、その髪に相応しい贈り物を用意したんだよ。
これだよ。

まあ、綺麗なべっ甲の櫛だわ!
実はね、髪は売ってしまったの。
それでね、引き換えにこれを買ったのよ。

これは!
金時計をぶら下げるのに相応しい、プラチナの鎖じゃないか。
こんなにいいものを!
でも、僕は。
僕はね、親父譲りの金の時計を、質に出してしまったんだ!
デラに、綺麗なべっ甲の櫛をどうしても買いたくてね。

そうなのね?
私達夫婦ったら。

でもね、私はこう思うの。
髪はまた伸びていくわよ。
だから、櫛は、毎日使えるわ。
ありがとう、ジム。

デラ、僕もこう思うんだ。
金時計は、働けばまた取り戻せる。
だから、プラチナの鎖は、大事にとっておくよ。
ありがとう、デラ。

こうして、クリスマスの夜は更けてゆくのだった。


※オー・ヘンリー著「賢者の贈り物」を私独自の想像を膨らまして詩の形をとっております。
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