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詩、小説

2024-06-07 00:09:57 *バーチャル学校vol1 15-17*
作 林柚希

夕飯を終えて、僕、ケー、父さんと母さんで、雑談をしているとワンダリング先生がやってきた。
「こんばんは、ワンダリング先生。」と僕が言った。
「こんばんは、トゥルー。」
ひと通り、挨拶を終えると、早速本題に入って、色々話し込んだ。
生徒指導室の話題も出た。
そして、ケーの占いの話も出て、ワンダリング先生が、成果が出たな、と嬉しそうに頷いていた。
だが、『闇協会』の話にみんな、より真剣になった。

父さんの『魔法協会』でも、調べてくれたそうで、その3人は、クロウ、スネーク、フロッグというのだそうだ。
まず、この3人で間違いないと言った。

その時、「ケケケ。なんの相談ですかな?」下卑た笑い声が響いた!

ケケケ。ヒヒヒ。へへへ。
気持ちの悪い笑い声とともに、居間の窓は開いてもいないのに、そこから真っ暗な空間が広がり、数人(数匹?)の影が見えた。

「我らとお手合わせ願いますかな。」真っ黒な翼が生えた老人が言った。
「我が名はクロウ。」ククク、と笑っている。

隣に大きな口の女が立っている。
「あたしは、フロッグって言うよ。よしなにね。」ケケケと笑っていたのはこいつか。

逆の隣に、長い舌を出した、変な男が立っていた。
「俺はスネーク。よろしくな!」へへへと笑いながら、先の別れた舌をシャーと出している。

この3人の前には、3匹のあの使い魔が、ケケケと笑っていた。


「母さん父さん、ワンダリング先生。どうしようか。」と僕。びっくりだ。本当に来るなんて。
「本当に来たでしょ?」ケーは得意げだ。
「トゥルーのお父さん、お母さん。杖を!僕が食い止めます。」ワンダリング先生だ。
いつの間にか杖を構えている。
「あなた、これ!」母さんが、父さんに杖を渡している。
「お前投げちゃいかんよ」父さんが杖を上手く受け取る。

その間に3匹の使い魔が近づいてくる!

「そうだ!」
僕は、その左の奴を狙って呪文を唱えると、真ん中の奴を狙って「テレポート!」
左の奴は、真ん中の奴と重なって、ボンッ、と消えていった。

「やった!」思わずガッツポーズする。
「トゥルーやるじゃん!」と、ケーとはハイタッチする。

「トゥルー、やるね~!」ワンダリング先生だ。
父さんと母さんは、残りの1匹に炎の呪文で対抗して、消し去った。

「ほぉ~やるなぁ。」クロウは余裕綽々(しゃくしゃく)だ。
「あのくらい、あたしだって」フロッグはまだケケけと笑っている。
「我ら相手に上手くいくかな?」スネークだ。

ハテ、どこかで聞いた声だと思い、そして近づいてきたスネークを見て、「あっ」と3人で驚いた。
スネークは、あの生徒指導の担当の先生だった。

そして、クロウとフロッグも、ケーが持ってきた先生紹介のパンフレットにバツが書いてあった奴らだった。

【バーチャル学校16】

スネークとフロッグが近づいてきた。
「じゃ、俺から行くよ。」
スネークが呪文を唱えると、バシーンと音がして、母さんとケーが「うっ」と呻いた。
「俺は女が好きなんだよ。お前らは相手するなよ。」へへへと舌を出しながら笑っている。

「不純異性交遊とか言っていたくせに!」と僕。
「俺はいいんだよ。大人なんだから。」スネークはへへへと笑いながら、また呪文を唱えている。

「ふざけるな!」父さんだ。父さんも呪文を唱えると、さっとスネークに杖を向けた。
すると、両目に炎が沸き起こり、スネークも「うっ」と呻いた。

「目、目が…目が」呻きっぱなしだ。
ケーと母さんは「助かった」「ありがとう」と言っている。


「あたしもいいかい?」大口で笑っている。
「あたしは男がいいねぇ。」呪文を唱えると、ワンダリング先生が「うっ」と呻いた。
「う…。動け…ない。」ワンダリング先生は杖を落とした。

ケーが「アイツの口に何か放り込んで!」
一瞬で理解した僕が「オッケー。」
僕がスネークに呪文を唱えると、フロッグの口に向かって、「テレポート!」

スネークはフロッグの口の辺りに重なって、2人して「ギャー」と言っていた。
真っ黒な異空間は無くなり、2人は落ちていって、遠くでドサッと音がした。
クロウは、羽をバサバサと動かして飛んでいる、というか浮いている。

「助かったよ、トゥルー、ありがとう。」ワンダリング先生は、杖を拾うと、クロウを睨みつけている。
「トゥルー、君は魔法陣を張ってくれ!奴の顔だ!」ワンダリング先生は、父さんと母さんにも指示した。

すると、クロウの顔全体に炎がたくさん現れ、「ギャー!」という叫び、それに羽にも、炎があふれ出た!

「応援が来たのね!」母さんだ。
「応援を呼んでおいたの。これで良かったかしら?」母さん、ナイス!

「『魔法協会』の者です。皆さん無事ですか?」今から今度はぽうっと柔らかな光とともに、
10人くらい、白い服を着た人たちがいたようだった。
「はい、無事です。」ワンダリング先生だ。

「ワンダリングさんだね。お仕事お疲れ様です。後は我々に任せてください。」

「あの、クロウとスネークとフロッグはどうしたか、知っていますか?」と僕。
「奴らのトドメは我らでさしましたから、大丈夫。君は勇敢だね!」『魔法協会』の人。

「いえ、あの、ありがとうございます。」ペコっとお辞儀した。

「あの、校長先生はどうなりますか?」ケーだ。
「ああ、それならワンダリング先生から連絡が来てね、我らの仲間が拘束しているはずだよ。もう大丈夫。」ニコっと笑った。

一同、ホッとしたのだった。

【バーチャル学校17】

後日、学校に行ってみると、クロウ、スネーク、フロッグは単身赴任で他校へ行ったことになっていた。
誇張先生に至っては、病にかかったとかで、他の校長先生が来ることになっていた。

ケーと、「ひょっとして、この学校無くなるのかな。」と気落ちしていたけれど、無事に済みそうだ。
ワンダリング先生は、というともう少し学校にいるそうだ。
正直、すごくホッとした。

あ、そうそう僕は後で「テレポートをあんな使い方しちゃいかん。」と『魔法協会』のお年寄りの人に怒られてしまった。
「ワシらが、魔法陣張って事なきを得たがの、大爆発起こしておったよ。」と言われてしまった。
「存在に存在をテレポートしちゃいかんよ。」もう、念を押されてしまったのだった。

でも、僕の『魔法』の勉強はまだまだこれからのようだ。


この作品は、とある編集部へ送った投稿作品です。
がんばって書いたら、どう考えても規定枚数を超えてしまいました。
だけど、熱意が伝わっていいかも、と送ってしまった作品です。
もちろん、選外にもれてしまいましたが。
この先も続きますので、楽しみにしていてください。

物語の初めは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 01

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 02

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 03

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 04

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 05

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 06

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 07

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 08

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 09

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 10

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 11

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 12

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 13

物語の続きは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 14

物語の終わりは、こちらになります。
バーチャル学校 vol1 15-17


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