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詩、小説
2022-09-05 16:36:56 *恨み言*ぎゃー。
あ、また妹が泣き出した。
お母さんが駆けつけて、聞いてくる。
「どうしたの?一体。」
「ママ、お兄ちゃんヤダ。」
「何かあったの?」
「お菓子取られちゃった。」
また、あーん、と泣き出す。
僕は、いつもの事じゃん、ちょっとくらい、いいでしょ。
独り言を言うが、誰も聞いてくれない。ちぇ。
「また、お菓子あげるから、泣き止んで、ね?」
お母さんは、また甘やかす。
僕には一切、付け足しのお菓子なんてないのに。
いつもそうだ。
「妹なんて、いなくなっちゃえばいいのに。」
思わず独り言を言うと、キャー。…って悲鳴?
「妹が消えた?マサカ。」
僕はタカをくくっていた。そんな事あるはずがない。
だけど、妹は、一週間たっても、戻って来なかった。
警察に届け出も出した。
僕は、家の中をくまなく探した。
けれど、見つからない。
僕は遊ぼうと思っても遊べなかったし、食欲もなかった。
そして、ある、独り言を思い出していた。
「妹なんて、いなくなっちゃえばいいのに。」
僕は、マサカと思ったけど、これが原因のような気がする。
どうしよう。
僕は、握りこぶしをギュッと握って、強く思った。
いつも、甘やかされる妹。
不平不満だらけだったけど。
だけど、いつも「お兄ちゃん」って慕ってくれてた。
僕は、いつの間にか、ジャイアンみたいに偉そうにしていた。
「あ。」雫が目から、ポツっと落ちた。
妹、妹。今、笑いかける妹の姿が、思い浮かんだ。
「神様、神様、もうお菓子を妹から取ったりしません。だから、妹を返して下さい。」
遠くから、とてもいい声がする。
「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。あんたさんは、妹がいらん、言うておったろ?いらないのと、違うかの?」
か、神様なのかな。
「僕がいけなかったんです。妹は大事な家族です。返してください。」
必死で祈る。
「もう、恨み言は、言いませんから!」
僕は手を合わせて、必死で祈った。
「それを、聞きたかった。善きにはかるかの。」
その声が笑い声とともに消えると。
「ハッ」寝汗をびっしょりかいた僕がいた。
となりに顔を動かすと、甘い匂いとともに、すーすーと寝息をたてる妹がいた。
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